124:初めての五条クン35 ページ14
堂々たる姿に、五条は一瞬『こいつ本当に…』そう思ったのだがすぐにかぶりを降ってかき消す。
待て待て待て、何期待してんだよ。
コイツは俺より弱い。呪力量だってそこそこやるとは思うが、別に大した事ねぇ。乳と太ももはでけぇが、派手な爪した手で殴れるなんて到底思えねぇ。
いや、たとえ呪具使いだったとしても、自慢の例の術式が無けりゃ大したことねぇはずだ。
「おい、馬鹿。いいか、いくらお前が一級だってな、それは術式があっての話だろうが。それを封じられた今、どう脱出するって?いや、脱出出来たとしてもババァにもう一人のジジイはどうする」
片眉を吊り上げ、少ないタイムリミットに五条は微かに表情を切迫させAへ人差し指を指し向ける。
指の先では、言葉を聞いたにも関わらず何処かキョトンとした顔のA。
五条は思わずため息を吐き出す。
このアホ女、確か去年初めて呪術を学んだと聞いたが、やっぱりアッパラパーの素人だ。
「テメェと一日いて分かったぜ。なぁにが、夜蛾の野郎学んでこいだ。威勢だけのいい、頭空っぽハッタリ女じゃねぇかよ!!」
分かっていない。
コイツはまるで分かっていないんだ。
自分が死ぬかもしれない状況を全く理解していない。
それは、コイツが雑魚だからだ。
本格的な死を感じたことがないんだ。
命の取り合いなんてしたことがないから、迫る死の匂いを感じ取れねーんだ。
酷い事を言っている自覚はあった。
小学生の頃、クラスの女にこのぐらいハッキリと物を言ってやったら『五条くん、酷いよ!』と大泣きされたことがある。
別に、このハッタリ女がここで泣こうが構わない。
寧ろ、泣いて心が折れたぐらいが俺としちゃ楽なぐらいだ。
「五条君さ、結構現実主義者って感じ?」
ふと口をAが開いたかと思うと同時、五条はいつの間にかキスでもされるんじゃないかという距離感にAが迫ってきており、思わず飛び退きそうになる。
しかし、背にはシバフが阻むように居り、どこにも逃げることが出来ない。
「私、『助けて』って言わせた奴のこと、絶対助けてやる主義なんだ。例え、どんな苦しい状況でもね」
「は、はぁ?」
何言ってんだと声を上げる五条だが、Aの意志の強い緑色の瞳に射止められ、目を逸らすことも身動きすることも、それ以上の言葉を上げることも出来ない。
外では、老婆が恵比寿の胸倉を掴み「何言ってんだガキぃ!?」と怒号を浴びせていた。
それでも、Aの心は揺るがない。
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鼻毛太郎(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます!😭🤍強くてかっこいい傍若無人天上天下唯我独尊女ことギャル先輩、ぜひぜひ今後も彼女の活躍楽しみにして頂ければとっても嬉しいです!! (2月21日 18時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ギャル先輩かっこよすぎます😿💖 続き楽しみにしております🎶 (2月21日 13時) (レス) @page16 id: 0c670390f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん - ありがとうございます💗💗時間なんていっくらかかっても大丈夫です!!!ほんとありがとうございます🫶 (11月11日 11時) (レス) id: 0fb8342324 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ぴーまんさん» ぴーまんさん、改めてありがとうございます!🙌前回コメント頂いた際に知識不足でお答え出来ませんでしたので、ぜひこちら書かせて頂きます😭お時間少々頂きますが、暫しお待ちください…!短編で書かせて頂きますね…! (11月10日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん - リクエストすみません!🙇♀️🙇♀️無理だったら全然だいじょぶです👍🏻 (11月10日 15時) (レス) id: 0fb8342324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年10月21日 4時