606:物騒と恋 ページ10
「なに、ヒソカ君」
着信音に応えてやると、電話口の奥から彼らしい喉奥で笑う声音が返事をしてきた。
電話がきたことで、Aの中から氷の刃物が消え、男は代わりに繰り出された蹴りにより、集団の中に押し戻される。
『いやぁ、外見てるかなぁと思って♡』
ヒソカの呑気な声を耳に、目の前で逆上した男達を片手間に捌きながら「そりゃあれだけ騒がしかったら見るわよ」と返す。
男達の怒号に混ざり、拳銃が発砲される。
『そっち、なんだか騒がしくないかい?』
お取り込み中だったかな。ヒソカの言葉に、Aは「いえ、ちょっと絡まれただけよ」と返事をしながら、『エデン』で時を少しずつ早めて銃弾を避ける。
『にしては、だいぶ至近距離で発砲音聞こえるけど♢』
「そう?生きてたら撃たれるぐらいあるわよ誰でも」
ぐっと一人の男に距離を詰めると、男はぎょっとし仰け反る。
その隙に、Aは高く蹴りを放って男の手から自動式拳銃を弾くと、そのまま奪い取ってしまう。
『…この世の大半は一般人なはずなんだけどなぁ♧』
「というか、そっちはどうなの?」
『ん?』
「ん?って、仕事してんのかって話よ」
歯でスライドを引き、Aは的確に周りの男達の脳天へ銃弾を放つ。
『あぁ、それ♢周りをゆっくり見物しながら、君のこと考えてたよ♡』
「あーなるほど、要は何もしてないって事ね。とってもすっごくよくわかったわ」
何発か撃つと、引き金を引いても弾が出なくなったので、グリップの底を開く。
携帯を肩と耳で挟み、空いた片手で『
装填して撃ってみるが、氷の弾丸は出てこず「さすがに熱には勝てなかったか」と向かってきた男の頭をグリップの底で殴った後捨てた。
「それで、その口調だと特に用もなく電話してきたって感じね」
ヒソカにも、増援を呼び出した男達にも、Aは二重の意味でため息を漏らす。
『くく、下手に野郎の相手をしてるより、君の声を聞いた方が数十倍も有意義だなぁと思ってさ♧』
でもアレだね、とヒソカが言葉を続ける。
「ん?」と耳を傾けるA。増援に程なくして別の男達がやってくる。
彼らの姿を見渡す中、マシンガンを持ってる人間を見つけてAは「…それはちょっと面倒」と小さく呟いた。
まぁ、何とかできない事はないのだが。
『会いたくなるものだね、声を聞くとさ♤』
その言葉に、場に削ぐわず胸がぐっと熱くなる。
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです!ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます!🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです!!🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました!本当に面白かったです!続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます!😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…!ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜!先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです!久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年10月15日 14時