644：悪夢 ページ48
＿＿＿＿。
幼き日の自分が、闇の中で対面する自分に向かって指をさしている。
それが、本当は自分ではなくその後ろに指を指しているのを分かっている。
振り向いてはいけない。
振り向いては。
「＿＿＿＿＿＿…ッ！」
Aが目覚めると、寝ていたというのに不思議と息が上がっていた。
全身がぐっしょりと汗ばみ、心臓が警鐘のようにバクバクとなっていた。しかし、それでも今さっきまでの光景が夢であったというだけで、酷く安心した。
あそこまで鮮明な夢を見たのはいつぶりだろう。
最近、日に日に夢を見る回数が増えているな。
Aは、目頭の間を抓ろうとしたその時、手が上がらないことに気づく。
というか、体がまるで金縛りにあっているように動かない。
なんだこれ、悪夢を見た後遺症か何かか？
Aの訓練された瞳は、目覚めたその瞬間から闇に適応することが出来る。
まだ白み明けきる前の薄い闇の中、Aは視線を下へ向けると「な、なんじゃこれは…」と思わず言葉を漏らした。
通りで悪い夢を見るわけだ。
ガチガチに毛布で固められた体。
やけに暖かいとは思ったが、こういう意味だったとは。
大方、これをやったのはヒソカ…大穴でクロロか。
その二人のどっちかなのは確実だな。
Aは、あの馬鹿共と眉間に皺を寄せる。
無論、正解はそのどちらもなのだが、今現在Aがそれを確認する方法はない。
力づくで動こうとすると、陸に打ち上げられた無力な魚が如く動くことしか出来ないので、Aは仕方なく一旦冷静になるとその場で巻かれた方向とは逆に向かって転がった。
無様な姿にAはため息が漏れそうになる。
誰も見てないわよね。
自由を取り戻し起き上がると、Aの頭を頭痛が襲った。
「あー…最悪。軽く脱水症になってるんだわ」
アルコールも相まって、思った以上に汗をかいていたらしい。そういえば、喉もカラカラだ。
白む空気と静寂の中、Aは床に降り立つと未だ眠る旅団達の間を縫って、水の入ったペットボトルを探しに向かった。
Aの足音は一切聞こえない。
彼らのすぐ真横を歩いても起きないのは、彼らがこの状況に安心しきっているからではなく、Aの足音から気配全てを断つ技術が並外れているからである。
ここに居る何人かは、タイマンなら勝てそうにない相手も居るが、暗殺なら別だ。
全員殺れる自信がある。
まぁ、一人とんでもないセンサーを持つのでそいつは抜きとして。
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです！ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (
レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます！🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです！！🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました！本当に面白かったです！続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます！😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…！ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜！先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです！久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年10月15日 14時
