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643:禁忌 ページ47

「あの……私もひとつ、秘密があるのです」


女執事は、体の震えを隠しながら双子にそう切り出した。

君たちの秘密を全員に黙っていてあげるかわりに、私の秘密を教える。そして、その秘密を叶えて欲しい。



女執事の腹には、赤ん坊が宿っていた。



ゾルディック家執事のルールとして、恋愛禁止が含まれている。
恋人を作れば死刑。そんな中、女執事の腹に赤子が居るということそれ即ち。

まだ、見ただけでは分からない腹の膨らみ。
だが、女執事はバレるんじゃないかと常日頃から怯え暮らしていた。そのぐらい、女執事は自身の腹に神経質になっていたのだ。



理由はひとつ。
この子を産みたいから。



この二人に打ち明けるには、相当な決断が必要であった。
女執事は、あらゆることを考え決断したのだ。
全ては、子を産むため。子を産んだら、自分は死に物狂いでここを出ていく。

そのつもりである。



打ち明けると、イルミの方はいい顔をしなかったが、明るく何事にも興味を示すAはすぐに食いついてくれた。

Aが興味を持ってくれさえすればいいのだ。
弟のイルミは、基本的に姉の意見に従う。
Aが首を縦に振るなら、彼にとってもそうなのだ。


「そっかぁ、お腹に…。私、赤ちゃんって本物見たことないわぁ…」

どうやって赤ちゃんって出来るのかしら。
無垢な表情で訊ねたAに、女執事は苦笑いだけをみせる。

「ねぇ、姉さん。本当に大丈夫かな…」

不安そうな顔を珍しく見せて、イルミは隣のAの衣服を握る。
親達にバレることを恐れてか、それとも。

だめ、ここでAお嬢様を揺さぶらないで。
彼女の気が変われば全てがひっくり返る。
女執事は願いながら、固唾を呑みイルミへ微かに目を向けるとイルミは瞬きもせずこちらをじっと見ていた。

まさか、こちらの企みに気づいているのか…。

そう不安になったところで、Aが明るい声で「大丈夫よ」と切り出した。

「私たちが秘密にしていればいいの! それより、なんで私たちに秘密を言ったの?」

Aは、丸い瞳で女執事を見上げながら言った。



ここからが、本題だ。


女執事は、すうと息を吸い込み、出来る限り平静を保ちながら口を開いた。
本当は震えていたのに、それすらも自分では気づかないぐらい、それぐらい心は死に物狂いであった。




「Aお嬢様。時を加速させて、今ここで子を産ませてください」

644:悪夢→←642:神域



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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです!ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます!🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです!!🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました!本当に面白かったです!続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます!😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…!ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜!先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです!久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲‎🥲更新を楽しみに待っています🙇‎ (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年10月15日 14時

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