【H×H】赤ちゃんはどこからくるの？-13-

636：助けて団長 ページ40

「わはははは！！！最強で無敵の防御！！これで私に手は出せまい！！！」

クロロの後ろから顔を出し、Aはヤケクソに強気になってみせる。
ヒソカはその行動に苦々しそうな表情をみせた。

こいつ、酔ってるくせに随分考えたな。

如何なることがあれ、現在ヒソカがクロロに手を出すことは出来ない。
理由は、ヒソカの目的はあくまでもクロロとのタイマン。
それ即ち、誰の邪魔も入らないのが前提なのだ。時と場所、それら全てが完璧でなくてはならない。

Aはそれを理解しているから“最強で無敵の防御”と謳ったわけだ。

とはいえ、クロロはそれを知るはずもない。
なんの事か理解していないクロロは、とりあえず詰め寄ってきたヒソカにホールドアップの姿勢を見せてみる。

「…何したんだ、A」

「…色々、手順間違えたのよ。あとはもう見ての通り。何も聞かず私を匿って」

小声で訊ねたクロロに、Aが彼だけに聞こえる声音で返す。声音から察するに、相当悔やんでいるらしいのだが、ここで素直に引き下がる気はないらしい。
「馬鹿だ…」と、クロロがAの言葉を聞いて口を零す。

「団長、その後ろの可愛い子ボクにくれないかな♡」

「ダメだクロロ、その可愛い子を渡しちゃいけない。というかそれ私！！！」

クロロを挟んで始まった押し問答に、酔いの回った旅団の面々は目の前で格闘技の試合でも始まったような盛り上がりをみせる。
「行けA！！言ったれ！！」なんてヤジが飛ぶ中で、ほろ酔いのシズクが呑気にも「団長達三人、仲が良さそうでいいですね」なんて身も蓋もない発言をする。

「どこをどう見ればそうなるのかしら…」

呆れたと呟くパクノダに、全くだとマチは長いため息を吐き出した。


「A。何故言えないわけ？」

「…言えないものは……言えないから、言えない」

クロロの背後で気まずそうに顔を逸らして、苦し紛れの言い訳をするA。
ぎゅう、とクロロの衣服を握るAの姿に、若干の面白くなさを感じつつもヒソカは「ふぅん…♢」と相槌を打つ。

「でも、その言えない内容。ボクに言いかけてやめたあたり、ボクに関する内容だよね♧」

君を虐めるのは楽しいけど、あんまり焦らされると機嫌損ねちゃうなぁ
わざとらしく付け足されたヒソカの言葉に、Aは分かりやすく「うぐ…」とダメージを受けていた。

「嫌いになっちゃうかも〜♤」

「ぐぬぅ……っ」

更に追い討ちをかけられ、Aは心臓を抑える。

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