631：空虚と宴 ページ35
＿＿＿＿。
蜘蛛は死んだ。
クラピカは、通話口でゴンへそう伝えると彼の言葉も待たずに通話を切った。
まるで抜け殻のような気持ちであった。
縋るものが、というと語弊があるが、故郷から出て今まで彼の動く全ての指針は復讐であった。
彼ら＿＿＿＿幻影旅団の死体を目の当たりにし、つい先程クラピカの復讐は思わぬ形で幕を閉じることとなった。
自分の手ではない。
けれど、死体はそこにある。
これで全て終わりだ。奴らは死んだ。
しかし、はたしてそれで自分の本懐は達成出来たというのだろうか。
生きる目的がひとつ消えた。
これからは、何に重きを置いて生きていけばいいのだろう。
悲願である緋の目を回収できたというのに、この空虚さはなんなのだろう。
クラピカは、目の前に広がるヨークシンの夜景を瞳に映し、そして天を仰ぐと瞼を閉じた。
今はただ、何も考えたくない。
手の中で震える携帯にも気づかず、ただじっとクラピカは夜風を感じて目を瞑る。
「慰めてあげようと思ったのに…♢」
爪の先で、なにかの魔法かと思うほど器用に携帯を立たせて、くるくると回しながらヒソカは呟いた。
ヒソカの目先では、任務完了による宴が旅団達により上げられていた。彼らはそういう皆でワッと盛り上がることがすきだな、とヒソカは独りごちる。
ふと。
「冷た、」
頬にヒヤリとした感覚が走り、ヒソカは顔を上げる。
「やーい、引っかかったぁ」
普段の彼女からすれば、幾分か似つかわしくない口調なのは既にアルコールを含み酔っているからだろう。
とろんと目が据わり、顔がほんのりと赤らんでいる。
全く、お酒弱いくせにいっぱい飲むんだから。
「A、この缶1本飲んだら次からは烏龍茶でも飲むように♤」
ボクとのお約束。
ヒソカはそう言いながら、頬に当てられた缶を受け取った。
Aはといえば、唇を尖らせて「ふーん、止めれるものなら止めてみるのね」と中々好戦的な文句を垂れながら、ヒソカの横に座った。
君にしては生意気で可愛いこと言うじゃないか。
このまま貰った缶一本飲み干して、キスして口の中に全部入れてやっていいんだぞ。
なんて思うものの、今のAなら普段のように顔を真っ赤にして恥ずかしがってはくれないだろう。
多分、ケタケタ笑って終了。
で、最後は寝てしまって完。
以前はA曰く飲み友達＿＿ヒソカ的には獲物だったわけだが＿＿であった為、彼女の呑み方は熟知している。
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです！ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (
レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます！🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです！！🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました！本当に面白かったです！続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます！😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…！ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜！先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです！久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年10月15日 14時
