628：忠告 ページ32
まんまといいようにされてしまった。
ぐぬぬ、と悔しげに歯噛みしてシャルナークを睨むと、彼はからりと笑いながら「Aがどうやって誘ったか知りたいって言うから、実践したまでだよ」とAへ言った。
「これで、僕ら恨みっこなしだ」
「あなた、中々いい性格してるわね。こういう時に一人称が僕に変わるところとか」
「お褒めに預かり光栄です。ま、でもAの相手がヒソカじゃなかったら、本当に誘ってたかも」
今度は嘘じゃないよ。
シャルナークの丸い瞳に射止められ、Aは面食らう。
まだからかってるわけ？と口を開きかけると、シャルナークの言葉が遮る。
「ヒソカ、思ってるより君のことかなり入れ込んでるみたいだからさ。自覚した方がいいよ、Aはそういう魅力がある」
「…私、ヒソカ君と付き合う前に何人にもフラれたことあるわよ」
「そりゃ、常人には理解できない魅力だもの」
シャルナークはやれやれと肩を竦める。
君は気づいてないだろうね。
浮世離れしている完璧超人という感じの人間が、時折見せる人間臭さの魅力に。
それが不完全であればあるほど、Aという人間はより引き立つ。
そしてまた、Aの冷酷な側面を理解していればしているほど。
シャルナークの言葉に、Aは難しい顔をして「私ってそんな難しい女かしら」と呟く。
これが本人理解してないから、いいんだよなぁ。
シャルナークは思って笑ってしまうと、タイミングがいいのか悪いのかフィンクスがシャルナークを呼んだ。
「なに、はーい今行くー！」
シャルナークが呼び掛けに応えると、Aの側から体を離した。
ふと、フィンクスのもとへ行く前に、シャルナークは何か思い出したようにAへと振り向く。
「ひとつ忠告」
「…？」
「団長＿＿＿＿クロロには気をつけてね」
その意味深な言葉に、Aの切れ長の瞳が瞬きをする。
「長い付き合いだから分かるけど、君の困った顔とか好きだと思うから」
彼はそう言い残すと、Aの言葉を聞く前に去っていってしまった。
なんじゃそりゃ、ぽかんとしつつも難しげに顔を顰めるA。
手の中の珈琲は既に温くなっていた。
「なんの話？」
声と共に重さの増した肩に、Aはいつもの如く「いつ私は貴方の腕置きになったのかしら」と呆れた言葉を述べる。
すると、これまたいつもの如く、返事の代わりのように喉奥で愉快そうに笑う声が返ってきた。
「クロロには気をつけてね、ですって」
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです！ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (
レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます！🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです！！🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました！本当に面白かったです！続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます！😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…！ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜！先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです！久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年10月15日 14時
