620：待ちなさ〜い ページ24
半ば急ぐように扉を開けると、ごうと溜まっていた風が一気に噴き出し、Aの髪を派手に揺らした。
土埃の匂いがAの鼻腔を掠める。
この土埃、既に遅かったか。
Aは、吹き荒れる髪を片手で抑えながら中の光景に目を向けたと同時に、父親＿＿＿シルバが微かに瞳を丸くさせAに気づいた。
「A…！」
しかし、たかがAがやってきたところでシルバは止まらない。
シルバと対面する位置にいるのは、ゼノに抑え込まれたクロロだ。
『姉様、今しがた任務完了致しました』
クロロに、シルバが両手に掲げた念弾がぶつけるのと同時に通話口かカルトの声が鳴った。
そして、カルトの言葉を裏付けるように辺りに電子音が響き、Aは漸く胸を撫で下ろした。
「そうみたいね」
安堵の声音で返し、Aは巻き起こった爆煙の中へ足を踏み入れた。
煙をシルバは片手で薙ぎ払い、端末の呼び出しに答える。
「イルミか」
低く述べたシルバの声音に、通話口の向こうではイルミが答えていた。
彼らが何の話をしているのか聞かずとも分かるAは、通話口に二言三言告げると電話を切り、シルバの横を通り抜けて瓦礫の山へと向かった。
「よっ…と、」
Aが破壊された岩壁を退かすと、底から現れた件の依頼主の姿に大袈裟に声を上げた。
「やだ、捨てられた犬みたい！」
「シンプルに悪口だな」
短く息を漏らしながらクロロが返す。
満身創痍。白いシャツは土埃に塗れて薄汚れ、あんなにビシリと着込まれたスーツは、今となってはズタボロで見る影もない。
Aの言葉も、あながち間違いではなさそうだ。
「なんじゃ、A。爺さんの方は心配も無しか」
そういって、疲れたとため息混じりに言いながら、ゼノは自身に降り掛かってきていた岩壁を退かす。
Aは、すぐ横から現れたゼノに顔を向けて肩を竦めてみせる。
「よく言うわよ。爺ちゃんってば、瓦礫に潰された程度じゃ死なないくせに」
普通の老人なら、すぐ立ち上がって呑気に土埃払ってないわよ。Aは言う。
「まぁ、確かに。その程度の鍛え方はしとらんからな。で、お前さんもワシも良かったのう。命拾いして」
ゼノはAからクロロに目を向けながら述べた。
「…やらなくて、いいの？」
「ワシらの依頼人は『十老頭』。そやつらが、死んでしまった以上、お主はもうターゲットではないのでな。それに、」
ゼノは、Aへ親指を向ける。
「ウチの孫がそうさせてはくれんじゃろ」
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです！ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (
レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます！🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです！！🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました！本当に面白かったです！続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます！😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…！ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜！先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです！久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年10月15日 14時
