599：天使の自動書記 ページ3
「うん、本当。確かに」
今一度カウンターの方にクロロは目を向ける。
先程の店員が銀の小さなメジャーカップでブレンドするドリンクを量っているのが見える。
「ナンパとかしちゃダメですよ。私の時みたいに」
ふざけて言うネオンの声に顔をも戻して、クロロは爽やかな笑みを携え「君は手厳しいね」と肩を竦めてみせた。
「あ、そうだ。えっと、さっき言ってた百発百中なんだってっていうのは？自分で占ってるにしては、やけに他人行儀な口ぶりだよね」
クロロが店員が来るよりも前の話に戻すと、ネオンは「えーっと、」と頬に人差し指を添えて答えた。
「自動書記っていって、手が勝手に書いちゃうから…」
はつらつとした様子で言うものの、やっぱりどこか変なことを言っている自分をネオンは理解している。
変な子って思われちゃうかな、どこか他人事のようにネオンが頭に描いたが、クロロの反応は寧ろネオンの想像の逆であったのだ。
「へぇ、凄いね！俺にもそれやってみせてよ！」
前のめりになり、信じきった＿＿ネオンは本当のことを述べただけなのだが＿＿クロロに、ネオンは心がチカチカと星の光のように弾けたのを微かに感じながら、「いいよ！」と彼に紙を快く渡した。
「自分のフルネームと血液型。あと、生年月日を書いて渡して」
ネオンの言葉通り、クロロは包み隠すことなく自身の本名と年齢、生年月日、それと血液型を書いて渡した。
彼の本名を初めて知るネオンが、クロロのプロフィールに在り来りな言葉を述べながらペンをくるくる回す。
慣れた手つきなあたり、彼女はペンを回すクセでもあるのだろうか。
「じゃ、占ってみるね」
彼女の言葉を皮切りに、健気な少女の気が一気に変わった。
クロロは真っ黒な瞳で彼女の占う姿を余すことなく見届ける。
魅了されてるかとか、そんな安いものではない。
必要だからだ。それを見ておくということが。
彼女は、その気を保ったまま紙にガリガリと文字を記していく。まるで、別の何かに取り憑かれたみたいだ。
そして、彼女はペンの先で人の首でも刎ねるように、勢いよく紙からペンを払い離した。
「出来たよ」
先程までの気が一気に嘘のように抜け落ち、数十秒前の健気な少女のネオンがクロロへと占いの結果が書かれた紙を渡した。
「私の占いって少し変わってて、四つか五つの行詩で出来てるの。それがその月の週ごとに起こることを予言してるらしいから、一つ目の行詩は場合によってはもう終わってるかも」
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです！ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (
レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます！🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです！！🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました！本当に面白かったです！続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます！😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…！ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜！先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです！久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年10月15日 14時
