613:それは盲点でした ページ17
自分よりも身長の低い人間に後ろから襟を引っ張られれば、それはもう分かりやすく仰け反ることになるに決まっている。
「君ボクより小さいんだから、本当、折れる、時間の問題…!!」
「ふふ、大丈夫よ。爪だけじゃなくて骨も『エデン』で治してあげるから」
そういう問題ではないだろ。
とは思うものの、現在拒否権も人権もないのはヒソカの方である。
つまり、Aに何を言おうが無駄ということ。
墓穴を掘ったのはこの際どこかで巻き返すとして、やはり衝動に身を任せキスをした事が原因のような気がするものの、どこかそれだけでは無いような気もある。
なんというか、自身の勘がそう囁くのだ。
「大体ね、」
そうこうしているうちに、Aが不機嫌そうに切り出した。
「勝手に下着で抜くってどういう了見なわけ?この際、下着で抜かれたことに関しては貴方の拗れた性癖が故だろうけども、それよりもね、すぐ近くに本人が居るのだから、そういうのは直接私に頼めばいいものの____、」
つらつら並べられるAの説教に、ヒソカは眉を下げて情けなく笑いながら「ごめーん♡」と平謝りをしていたところ、ふとAの言葉にヒソカが引っ掛かりを覚える。
「…君、もしかしてそれで怒ってるの?」
あれこれ連ねていたAが、突然ヒソカに言葉を遮られて「はぁ?」と変わらず不機嫌そうに彼を見上げる。
ヒソカは至って普通の表情で、ただ少し違うことといえばAをおちょくるでもなく純粋に『もしかして』と気づいたから訊ねたという、邪気のない表情でAを見下ろしていた。
なんの話をしてるんだこいつは。
と、Aが思った矢先の事だった。
自分が先程まで述べていた言葉が脳の中で、まるで電光掲示板に映し出される文字のようにつらつらと流れ出す。
そして、何を口走ったか理解して一気に顔を真っ赤にさせた。
酸欠状態で水面に顔を浮かせた金魚のように口をぱくぱくさせ、なんとか否定する言葉を出そうとするA。
しかし、こんな時に限って1ミリも言葉が出てこないのだ。
目をグルグルと泳がせて、途端に混乱状態になったAに対して、ヒソカは至極満足そうな笑みを浮かべて「なぁんだそんなことか♡」と述べる。
「やだなぁ、あんまりその気にさせるなよ♡かーわい♡」
人差し指でAの顎を押し上げて、パクパクさせていた口を閉じてやるヒソカ。
と、その時Aが唐突にそんなヒソカの手をがしと掴んだのだ。
「…?」
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです!ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます!🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです!!🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました!本当に面白かったです!続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます!😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…!ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜!先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです!久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年10月15日 14時