609：死体の中でキスをする ページ13
死体を一体踏んだ気がする。
足の下でボキリと骨が折れる音がしたが、ヒソカにはどうでもよかった。
というか、寧ろ思えばその時の彼にはそんな音すら耳に入っていなかったと思う。
Aしか見えていない。
Aは、ヒソカに気を向ける前に、最後に襲いかかってきた相手に肘鉄をかます。
細みの女がかます肘鉄とは思えないほどの威力に、まともに喰らった男はその場で鼻血を撒き散らし、叫び声を上げた。
しかし、気にもしないのはAも同じこと。
相手が倒れきるのも確認せずに、Aは周りにもう襲ってくる輩が居ないのを確認すると、「
その時、Aの腕をヒソカが掴む。
「ヒソカ＿＿＿＿＿＿＿＿、」
べろり、生温い舌がAの甲を這った。
ぎょっとして、反射的に腕を引こうとした矢先、腕の影に隠れていたヒソカの顔がちらと覗いた。
その顔といったら。Aは思わず呼吸を止めた。
恍惚とした表情。蕩けたような瞳の中に、何かに取り憑かれたような得体の知れなさ。
危ない薬でも入ってるんじゃないかと思えるほど、ヒソカは至極丁寧に余すことなくAの甲に付着した血を舐め取る。
目が離せないというより、例えば森の中でクマと遭遇した時目を離したら終わりだと本能的に認識する感覚に似ている。
Aが手を引くのも忘れて、様子の可笑しくなったヒソカを眺めたままでいると、唐突に指の隙間からヒソカと目があった。
珍しくヒソカ相手に悪寒が走る。
同時に、心臓が妙な高鳴りを覚えた。
「あ、あの…っ、ヒソカ君…、それ全部私の血じゃない…っていうか、いや血に綺麗もクソもないんだけど舐めるのは辞めた方が…」
いや、そもそも前提として現場に戻れとAは即座に言うべきだったと後で悟るのだが、とりあえず出てきた言葉を言ってみると、案外彼は素直に舐めるのを辞めた。
「そうだね♤」
ソウダネ。
もっとなんか言うことあるやろがい。だが、彼の奇行はよくあることだし、こういった時の聞き分けが良いというのはかなり良いことだ。
大概は屁理屈を並べて「もっと舐めたい」だの「別に減るもんじゃないでしょ」だのと強行突破しようとしてくる。
「そうね、そう。そんなことは辞めて、ほらマフィアの連中、襲ってきたヤツらは全員殺したことだしさっさと、」
忘れてた。
唇が触れ合う。
彼の聞き分けがいい時というのは、二パターンあることに。
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マニ。(プロフ) - 鼻毛太郎さん» ✉️。こっちのHUNTER×HUNTERの作品も最高に好きです！ヒソカと夢主ちゃんがいつ結ばれるのかも楽しみです💖 (2月18日 13時) (
レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伊波トウナさん» コメントありがとうございます！🙌かれこれ今年で4年となる、まるで作者耐久レースでもしてんのかってぐらい長期連載ですが、俄然暗黒大陸までやる気ですのでぜひ気長にお楽し頂ければ幸いです！！🩷️💙 (1月12日 19時) (レス) @page44 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - とても面白くて一気見してしまいました！本当に面白かったです！続きが今も更新されてるって知った時マジでガッツポーズしました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (1月12日 18時) (レス) @page44 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 好き好き症候群さん» コメントありがとうございます！😭🤍文字量も章も多いというのによくぞここまで…！ペースはまちまちなのですが、更新は続けていきますので是非また遊びにいらしてください😌 (1月6日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
好き好き症候群(プロフ) - コメント失礼します〜！先程、作品を読み切ったのですが最高でした😖😖文章もかなり凝っていて、読みやすかったです！久しぶりに神作品に出会えて嬉しいです🥲🥲更新を楽しみに待っています🙇 (1月6日 8時) (レス) id: da48891b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年10月15日 14時
