557：ギャルと南柯之夢 ページ7
言ったあと俺から視線を外して、少しだけ遠い目をAは見せた。
Aは、地下で見た事をあまり詳しくは話したがらなかった。
五条先生が封印されて、それ以外は何も。
「自分のことを幾ら責めたって過去が変わるわけじゃない。誰のせいだとかどうだとか、そういうのを考えるぐらいなら、私は未来へ目を向けるよ」
Aの言葉に息を呑む。
そんなことを言われたって、と頭を抱えてAへと俺は八つ当たりをしそうになった。
けれど、顔を上げた時にAとかち合った瞳があまりにも強い光を帯びていて、あぁ俺の覚悟はこんなもんなんだなと気持ちを喉の奥へ押し込んだ。
Aの覚悟は、既に渋谷の騒動が終了した時点で決まっていた。Aは、修羅となることを選んだんだ。
「相手に始まりを与える引導を握らせたんだから、あとはもう野郎をぶちのめす事しか無いんだよ」
Aは、まるで自分にも言い聞かすみたいに言った。
そして、息を短く吸い込むと俺の名を呼んだ。
「私は暫く奴の先手を打つために個人で動く。部下は一人だけ連れていく。安定するまでは、高専の皆は誰も連れていかない」
「…メカ丸の時みたいに、密告者が居る可能性があるからか？」
「命を背負ってやる覚悟を私が持ち合わせていないからだ」
思わず、Aの発言を疑う声音が短く漏れた。
「悟の後ろ盾と解呪を果たした今、恐らく私の生存反対派がすぐさま私を殺しにくる。私はその連中を迷わず皆殺しにしてやるつもりだよ。昨日までたとえ仲間だったとしてもね」
私の道を阻む奴らは皆さ。
Aは付け足した。
「私の部下は皆等しく私に命を預けている。それ即ち、捕まったりした場合は迷わず自害も視野に入れさせているということ。私は、高専の皆にそれはさせられない」
五条先生は、前にAは自分よりイカれていると言っていた。
俺たちに見せている顔と、特研で指揮を執る顔とでは全く違うことが、五条先生の言葉に現実を帯びさせる。
「そうでもしないと、私が生き残れない。私は、悟を奪還する為ならなんだってしてやる」
そんな事が、俺にもできるんだろうか。
Aのように強くいれるだろうか。
自分で往く道を決められるほどの強さがあるだろうか。
目の前に敷かれた暗い道を前に、虚ろな目を見せた時、ふわりと俺をAが抱きしめた。
「大丈夫。一人で考えたいなら、一人になるといい。だけど忘れないで。君は一人ではないから」
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます！！完結する…のか…？と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか！終わらせます！！笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします！！🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます！！完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします（^人^） (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです！！ (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに！！🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年9月25日 8時
