593：ギャルと特大疑問 ページ43
九十九の訊ねに、まだ死滅回游の中身を把握していない脹相と虎杖は不思議そうな顔をみせる。
Aは、既に二本目の煙草に手をつけながら、九十九の問いに頷いた。
「取り急ぎ百点が必要だったんだよ。いつまでも、縫い目の野郎に手の上で転がされる訳にもいかなかったからな」
「あの、Aさん。聞いてもいいですか？」
言葉の後に、乙骨が微かに片手をあげて言葉を挟んだ。
Aは、九十九へ返す言葉よりも幾分棘のない声音で「ん？」と眉を上げた。
「愛知結界には、強力な呪術師だって居たんですよね」
「勿論。悟が居ないからって、我が物顔で出てきた呪詛師に、野郎が仕掛けた例の受肉体。こいつらがまぁ厄介だったね」
「それは、倒したってことなんですよね」
乙骨の訊ねに、Aはきょとんとした顔で「そうだけど」と返した。
一体、乙骨が何を聞きたいのかAにはわからない。
しかし、乙骨の丁寧に確認するような口調に、他の面々は彼が何を聞きたいのか気付き出していた。
Aの今までの話を聞く限り、一つ腑に落ちないというか謎が残る箇所がある。
乙骨は、短く息を吸って、相変わらず不安げな顔をしたまま切り出した。
「Aさん、術式がないのにどうやって愛知結界を陥落させたんですか？」
そう。
これが謎なのだ。
現在蔓延る呪術師相手に、術式もなくまともに戦うことはほぼ不可能である。
例え、虎杖のように並外れた身体能力と強度があったとしても、特に平安の世で過ごしてきた呪術師相手ならばかなり苦戦を強いられることになるだろう。
それを、術式が剥奪されているAがどう攻略したというのか。
「あぁ、そっかそっか」
Aは乙骨の問いに、その前提すら忘れていたという様子で言葉を述べた。
「まさか、自分は特に何もしてないとか言わねーよな」
そういえば、特研と行動してんだっけか。真希が言うと、Aは笑って「んなダセーこと言わねぇよ」と返したのち、呑気に煙草を蒸かしながら言った。
「どうやら私、術式があるらしいんだわ」
「は？？？」
頭からケツまでコイツは何を言っているんだ。
全員が片眉を上げると、Aは煙草の先を地下道の闇の中へ向けて続けた。
「けど、それを知るには私が何者であるかを知る必要がある。それを知るために、私は今日『天元様』に会いに来たんだ」
遡ること、11月1日明け方。
渋谷での出来事が終わったすぐ後のこと＿＿＿＿＿。
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます！！完結する…のか…？と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか！終わらせます！！笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします！！🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます！！完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします（^人^） (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです！！ (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに！！🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年9月25日 8時
