592:ギャルと現在の状況 ページ42
「A」
「あ?」
改めて九十九がAを呼ぶと、Aは煙草を吸いながら顔を上げた。
「一本吸い終わるまで待ってあげるよ」
「…?」
「その代わり、私たちはやることがない。君を待つ代わりに、そろそろ聞かしてくれないかい?君が今日まで何をしていたか」
九十九の言葉に、あぁ確かにと乙骨と真希は顔を見合わせた。
「どこまで把握してる?君が特級呪詛師に認定されていることは?」
「知ってるよ。ご丁寧に、追ってきた連中が教えてくれたからな」
煙を燻らせるAに、「総監部の手駒か」と九十九が付け足す。
「ってことは、」
「そ。躯倶留隊の連中。多分三分の一ぐらいは返り討ちにしてやったと思うよ」
口の端を吊り上げて言ったAに、真希は「お前最高かよ」とやたら嬉しそうに返した。
「あの、Aさん。じゃあ、愛知結界を陥落させたって話は…」
乙骨が訊ねた言葉に、Aは「なんだ、結構皆知ってんじゃん」と何処か意外げに声を上げた。
「ま、そのぐらい私の噂は出回ってもらわな困るんだけどね」
「それってどういう意味?」
更に訊ねた虎杖に、Aは一本目の煙草を携帯灰皿に押し付けながら一言述べた。
「撹乱」
「撹乱?」
脹相が片眉をあげる。
「今回の出来事に乗じて、加茂憲倫…その中身だけじゃなく、あらゆる勢力が何かしでかそうとしている。そうなると、現在の勢力図が浮き彫りになるのは避けたい」
「なるほど。誰が誰の味方か分かると、加茂憲倫だけじゃなくその他も動きやすくなるからか」
九十九の言葉に、Aは浅く頷く。
「私は味方も多いけど敵も多いから、私がワンマンで動く事により一体誰が高専派かとかが全部分からなくなる」
「そのために、噂は大きくしておかなきゃいけなかった。なぜなら、周りに知られる事が本来の目的だから…じゃあ、」
乙骨が言葉の先を述べようとしたがしかし、Aは首を横に振り言った。
「でも、愛知結界を陥落させたのは本当さ。あそこに居た呪術を使う奴らは皆殺ったし、時と場合によっちゃそれ以外も」
その言葉に皆の息が止まる。
それ以外にも、は恐らく一般人も含まれていることを皆は察していた。
この無秩序な情勢に乗じて、一般人による犯罪も横行しだしている。
そういう奴らを殺したんだろう。Aさんは、滅茶苦茶な人だが何も宿儺のような無差別的感覚を持ち合わせている訳じゃないんだから。
伏黒は唇の裏で呟いた。
「点数のためかい?」
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます!!完結する…のか…?と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか!終わらせます!!笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします!!🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます!!完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします(^人^) (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです!! (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに!!🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年9月25日 8時