590:ギャルと反抗期 ページ40
パコンッと、二度目の音と共に伏黒は容赦なくAの頭部へ丸めた雑誌を浴びせる。
「いだぁ!?」とAの声が響くも、伏黒は全く悪びれる様子もない。
冷たい怒りを片手に、伏黒は自身の掌に丸めた雑誌をパン、パン、と当てながら「分からないですか」と告げる。
「俺を心配させたからです」
頭部を抑えながら顔を上げかけたAに、伏黒は淡々と述べた。
その言葉を聞いた周囲の面々は、ギョッと目を剥き「あの伏黒が!?」と声に漏らさずも驚愕の表情を浮かべる。
九十九だけが「まっ♡」と口元を抑えていた。
伏黒に怒られしょぼくれていたAも、この発言には呆気に取られたよう目を丸くして、そして。
「め、恵〜〜〜〜〜♡♡♡」
ぴょーんと、調子よく伏黒に飛びつこうとすると、再びAの脳天に丸まった雑誌が放たれたのは言うまでもない。
撃沈するAを無視して、伏黒は丸めた雑誌を自分の影の上に落とすと、すうっと雑誌は影の奥に消えていった。
「恵にぶったたかれたのが、嬉しいやら悲しいやら…」
複雑な気分〜、Aは唇を尖らせる。
その姿に、脹相はAに人差し指を向けて「こいつそういう癖を持っているのか?」と懐疑的な目で虎杖達に訊ねる。
虎杖は首を竦めて、代わりに真希が「ようやく来た恵の反抗期に喜んでんだろ」と返す。
「ま、家族みたいなもんだしな。あの二人って」
あながち間違えてないかもそれ。
虎杖が笑いながら言う横で、「家族…」と呟き脹相は顎に手を添える。
「…確かに。俺も悠仁に反抗期が訪れたら悲しくもあるが嬉しい」
「マジで何言ってんのお前」
「それが反抗期か悠仁!!?」
はっと気づく脹相に、虎杖はうんざりとした表情を浮かべて「もうこの話やめよ」と切り捨てた。
どいつもこいつも。真希が呆れたため息を漏らす横で、乙骨が眉を下げて笑いながら「Aさん、段々五条先生に似てきたね」と漏らした。
「Aが似てんのか、あのアホ目隠しがAに似てんのか。ま、お似合いって奴だろ」
「で、もう話はいいかな」
真希の言葉のすぐ後に、咳払い一つと共に言葉を挟んだのは九十九であった。
漸くAは九十九を認識したかと思えば、彼女の顔を見るなり「げッ」とあからさまに顔を歪めてみせた。
「出たなクソババァ…」
「君も大概な年齢だろ」
「おい、こいつ殺していいか????」
一際美にはやかましいAは、青筋を浮かべて九十九に分かりやすく眼垂れる。
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます!!完結する…のか…?と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか!終わらせます!!笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします!!🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます!!完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします(^人^) (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです!! (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに!!🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年9月25日 8時