【呪術廻戦】ギャルと呪術-12-

586：ギャルと薨星宮 ページ36

＿＿＿＿。


その後、虎杖は話の中でたった一日でAは愛知結界を陥落させていることを知った。

死滅回游では、百点を取った場合死滅回游におけるルールを追加出来るらしいのだが、Aは既に百点を取り使用もしているらしい。
ただ、乙骨によれば、乙骨本人がまだ死滅回游に参加している訳では無いため、なんのルールを追加したかは不明だという。

その百点は、敵対する呪術師のみを倒したことで取ったのか。
はたまた、手段を選ばないと宣言したAは非呪術師も手にかけているのか。


あの人が。
そんなわけはずない。


言わずとも、三人の意見は皆同じであった。

三人、というか実際は脹相も場にいたので四人となるのだが、彼らはどちらにせよ全ては高専の結界内に身を置く天元の判断が必要になると考え、高専に出向くことに意見を纏めた。



虎杖達が高専に戻ると、そこには真希と九十九が彼らを待ち侘びていた。
九十九は特に変わりはなかったが、真希は以前とは違い全身が火傷跡に覆われていた。

彼女は、先の渋谷にて特級呪霊＿＿＿＿漏湖により全身を焼かれ暫く生死を彷徨っていた。
そんな中、彼女の生死を分けたのは『天与呪縛』だ。

故に、真希の身体は生来の肉体強度により生き延びることが出来た。


釘崎は＿＿＿＿真希の姿にそれが過ぎるも、今はそれを考えていたところでどうする事も出来ないのだと虎杖は被りを振りかき消した。


そして、集まった六人は脹相が出した『高専忌庫に保管される九相図の気配を辿り天元様を探す』という案を決行することにしたのであった。



「九十九さん、ちょっと聞きてぇんだけど」

「ん？なんだい」

高専忌庫を探す中で、ふと虎杖が九十九へと訊ねた。

「Aって、来てねぇの…？」

彼女はAの叔母だ。
もしかしたら、何か知っているかもしれないと虎杖は踏んだ。しかし、九十九は首を竦めて情けなさそうに笑って返すばかり。

「残念ながら、ここには来てない。連絡もね、寄越してこないんだが、まぁそれは今に始まったことじゃないから」

あの子は、私の事嫌いだからねぇ。
九十九は言った。




脹相の案は、予想通り天元の居る薨星宮への入口を発見する手がかりとなった。
高専忌庫の奥にある昇降機へ乗り込み、六人は本丸へと降りていった。




昇降機の扉が開く。
目の前は、拓けた何も無い地下広間が広がっていたのだが、訪れた彼らはまず一番に、その広間の真ん中に何者かが背を向け佇んでいるのを捉えた。

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