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583:ギャルと真偽 ページ33

「とはいえ、Aさんの正確な動向は掴めてない。それは僕らも同じで、最初こそ高専に査察が入ったけど、僕らが本当に知らないことが分かると総監部は諦めたよ」

そういうのもあって、今は総監部の目は高専に向いていないんだ。
伏黒へ同意の目を向けながら乙骨は言った。

「ただ、」

乙骨は深刻な顔をして切り出す。

「あまりにも情報が無い事で、Aさんを信用していた一部では本当に裏切ったんじゃないかと疑心暗鬼になる人たちも出てきている」

「Aがそんなわけない」

「だから、Aさんが今日現れてくれたのは丁度良かったんだ」

そう繋げた乙骨の言葉に、虎杖は不思議そうな顔をみせた。

「Aさんがあの時現れたのは、恐らく偶然じゃないと思うよ。多分、虎杖君。君の執行人を務めるのが僕だとどこかから聞きつけたんだと思う」

「…」

じゃあ、やっぱりAは。
微かに表情に明るさを取り戻した虎杖に、乙骨は笑いかける。

「総監部の見解では、虎杖君よりもAさんの方が重要度が高い。Aさんは、それを分かっていて僕が総監部側になったかを試した。虎杖君からAさんに僕が執行対象を変更した場合、それは僕が総監部側であると裏付けられるからね」

そしてそれは同時に、乙骨というポスト五条の脅威から虎杖を護ってやる理由にもなる。

「逆に、僕がそれでも虎杖君を追ったら総監部に従っている理由がある」

どちらかを確認するために、Aは現場に現れたのだ。

「僕もそれは同じだった。Aさんが現れた事によってAさんの本心を確かめるにはあの時しか無かったんだ」

Aが何者かの下につき裏切るという事は考えられなかったが、高専側が100パーセントAを信用するには明確な証拠が必要であった。
乙骨は、Aが現れた瞬間に、そのチャンスが今であると即座に判断したのだ。

「あの一瞬で、Aさんが僕を追って来たら寝返ったと判断するつもりだった。呪術師側を潰す気なら、あの中では最も脅威である人間を潰す方がいいからね」

「もし追ってきてたら、乙骨先輩はAを殺してた?」

虎杖が問うと、乙骨は少しだけはにかんで首を振った。

「Aさんには、返しても返しきれない恩がある。そんな事は出来ないよ」

僕が死ぬことにならなくて良かった。
乙骨は、自身の心臓の上に手を置きながらそう述べた。

Aが寝返っていたら、乙骨は命を差し出していたのだろう。

584:ギャルと死滅回游→←582:ギャルと動向



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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます!!完結する…のか…?と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか!終わらせます!!笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします!!🙌😭🙇‍♀️ (3月16日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます!!完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします(^人^) (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです!! (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに!!🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年9月25日 8時

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