582:ギャルと動向 ページ32
伏黒は何を言っているんだ。
上手く彼の言葉を理解出来ず、訊ね返そうとしたが「待って、伏黒君」と割って入った乙骨に遮られてしまう。
「順を追って話した方がいい」
乙骨が言うと、虎杖は更に混乱した様子で兼ねてより引っかかっていたことを訊ねた。
「Aは…、Aは今、誰の何なんだ…?」
空気が緊張を覚えだす。
「Aさん、まさか来てたのか?」と、伏黒は小さく零した。
彼の言葉から聞くに、Aは虎杖に言い残した言葉通り単独で動いているだろう事は間違いなさそうだ。
しかし、何故あの現場にAは現れたのだろ。
それもどうやって。それに加えて、やってきたAはまるでいつものフレンドリーに接してくれるAではなかった。
自分の邪魔をするなら相手は選ばずに戦う。
まさかそれに、自分達が含まれるなんて思っていなかった。
邪魔なんてするわけが無い。
目的は一緒だ。
だけどあれは、一体。
焚き火の音だけが沈黙を埋める中、乙骨が口を開いた。
「まず、Aさんは今、渋谷での宿儺との共謀容疑を含めて特級呪詛師と認定されたんだ。だから、呪術師全員にAさんは見つけ次第処刑していいっていうのが言い渡されている」
「宿儺との…共謀容疑!?」
そんな、それは違う。
虎杖は急いで腰を上げて、伏黒と乙骨にAの容疑を晴らそうと口を開きかけたのだが、またも乙骨に遮られてしまう。
「分かってる」
彼の一言で、虎杖はゆっくりと上げた腰を下ろす。
「高専の人達は誰そんなこと信じてないよ。だけど、総監部にはAさんを始末したい派が一定層存在するんだ。彼らは今血眼になってAさんを探してる」
「Aさんをたとえ見つけても、その殆どが返り討ちになってるけどな」
伏黒が呆れたように付け足す。
「特研の人達は?」
「渋谷以降、早々に解体命令が出されたよ。彼らも処刑対象になるのかと思ったけど、そこまでは流石にしなかったらしい。でも、今後どうなるかな…」
乙骨の最後の言葉に、虎杖は眉を顰めた。
「これは目撃情報だから真偽は分からないけど、Aさんは特研の人達と動いてると思う。だから、Aさんが突然現れたのは、多分その一人の術式だと思うよ」
なるほど、通りで見たことがない術式なわけだ。
虎杖はそういう事かと感嘆の音を漏らす。
「それ即ち、特級呪詛師に手を貸しているって事だから、今後どうなるかわからないんだ」
乙骨は肩を竦めた。
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます!!完結する…のか…?と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか!終わらせます!!笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします!!🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます!!完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします(^人^) (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです!! (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに!!🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年9月25日 8時