572：ギャルと混沌極まる ページ22
「…！？」
ナイフを弾かれたと思った矢先、乙骨の片足が虎杖の腹部を蹴る。
ただの前蹴りだというのに、とんでもない重さだ。
そして、この体重の載せ方。
間違いなく、Aが教えている。
なるほど、世話になったというのは“そっちも”か。
それでも虎杖は怯まず、次に来た乙骨の刀をナイフで咄嗟に弾いた。
ナイフの刃は犠牲になったが、おかげで乙骨の刀の軌道はそれて地面に突き刺さることとなる。
そして、その刺さった刀を虎杖は蹴り上げて叩き折った。
「一筋縄じゃいかないか」
距離をとった乙骨は、折れた刀に目を向けながら呟く。
「…」
いてぇな。
先ほどナイフで弾いて軌道を逸らせた時、乙骨は逸らしつつも虎杖の腹部を斬っていった。
内臓には達していないが、焼けるような痛みが虎杖を侵食していく。
けど、これでお互い丸腰になった。
拳を握り、乙骨の方へ向かおうとしたその時。
「なにしてるのォ」
体中から汗が吹き出た。
低いのか高いのか、異様にも化け物と少女が混ざり合ったような声音が背後で鳴る。
体が動かないのは、唐突に与えられた絶望感からだけではない。
「遊んでるだけだよ、リカちゃん」
リカ。
背後に向かって述べた乙骨に、虎杖は微かに振り向く。
なんなんだ、この化け物は。
困惑する虎杖の目の前で、乙骨はやはり緩慢な動きで刀を構えた。
「抑えててね」
やばい。
体が動かない。
なんて力だ。
殺される。
頭の中で鳴る警鐘が乙骨が近づくにつれて、比例するように大きくなっていった。
そして。
「ごめんね、虎杖君」
心臓を貫く乙骨が、薄れる意識の中そう言ったことだけを虎杖は覚えて、そのあとは静かに意識の底へと沈んで行った。
一方、混沌極めるこの三人。
三人は、口裏を合わせることも無く同時に動いた。
無論、やはり動く速度が最も早いのは直哉だ。
彼は禪院家相伝の術式『投射呪法』を持ち合わせている。以前は、彼の父＿直毘人が最速の術師であったものの、父亡き今その名は息子である彼が欲しいままにしていた。
どれだけ脹相が身体の速度を上げようが、次の瞬間には追いつかれている。『赤鱗躍動』の意味がてんでない。
「お、あぶね」
唐突にAが呟いたかと思えば、横に丁度居た脹相を引っ張り自分の前に踊り出させる。
何事かと思った直後、彼の腹部に激痛が走った。
「Aちゃん、人様タテにするの性格悪すぎやろ」
からんと音を立て、直哉が地面に捨てたのは小刀。
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます！！完結する…のか…？と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか！終わらせます！！笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします！！🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます！！完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします（^人^） (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです！！ (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに！！🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年9月25日 8時
