563:ギャルと虐めっ子 ページ13
_______その人物は、天に開いた穴から吐き出されるようやってきた。
青年、乙骨憂太の登場に、頭がキレるというか悪知恵が働くというか。
とにかく、この中でも戦歴が最もある男禪院直哉は降伏の意として両手を挙げ、軽く自身の紹介がてら乙骨に交渉を始めた。
同時に、虎杖は直哉の口ぶりから、乙骨憂太という人間が高専の人間であり自身の先輩にあたる人物だと察する。
乙骨って人が来た途端、アイツAの事口に出さなくなったな。
特級術師だっけ、確か。
恐らく乙骨って人はAと接点ありありって感じっぽいし、何が起爆材料になるか分からないからか。
あまりこの場で二人を相手にはしたくないな、虎杖が悟ると、タイミングよく横で脹相が逃げる算段を耳打ちをしてきた。
一方、直哉は乙骨を前にして平静を装い、のらりくらりとした態度で交渉を続けていた。
「虎杖君殺しても、暫く上には黙っとってくれへんかな。彼を餌に会いたい人がおんねん」
直哉の言葉に、意外にも乙骨はあっさりと「いいですよ」と返してきたのだ。
彼がここに居る理由は虎杖の死刑ただ一つ。あとはどうだっていい。それが功を奏して、直哉の口元に薄く笑みが浮かぶ。
二人の瞳がかち合った。それが、開戦の合図。
交渉成立を前にして、その場の全員が我先にと動こうときたその時____、
ばくり、突如上空に割れたような穴が生まれた。
その穴は空を呑むほど大きくなく、人が二,三人通過するなら充分だなといった大きさであった。
その穴から、逆さまに滑り落ち出てくる人間。
皆、揃ってぽかんとした顔でその人間を眺めていた。
落ち出てくる、剥き出しの肉体。
その躍動を。
「あれ、ウケる。皆居んじゃ〜ん!派手な歓迎とか、なぁんかワクワクすんね〜!」
太陽の光さえも我がものとする金の髪。
八重歯を見せて、ネコ科を彷彿させる笑みでその人は言った。
「けど、穏やかじゃないっつーか……ってあれ?」
たん、とその人が地面に降り立つと同時、南国の海ような瞳が直哉を捉えた。
そして、何度か瞬きをした後、くりっと目を丸くさせ無邪気に大きな声を上げたのだ。
「どこの誰かと思えば、激弱ざぁ〜こ♡の直哉クンじゃ〜ん!」
「だぁれが、激弱ざぁ〜こ♡や!分からしたろかぁ!?」
「くく、喚くなよ。童貞のクセに生意気だぞ♡」
今や特級呪詛師、可借夜Aその人である。
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます!!完結する…のか…?と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか!終わらせます!!笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします!!🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます!!完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします(^人^) (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです!! (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに!!🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年9月25日 8時