562：ギャルと執行人 ページ12
やっぱりコイツ、敵だ。
それも、純度最高。
宿儺とはまた違うベクトルの邪悪。
コイツは、伏黒もAもはなから人間だと思っていない。そういう扱いをしていない。
一気に臨戦態勢に入ろうとした虎杖。
だがしかし、1秒を刻むよりも早く既に男は視界から消え、代わりに背後から声が鳴る。
「恵君、君の事探してるんやて？」
男の言葉に虎杖の反応が遅れる。
男の拳が虎杖の下顎を殴り、思わず虎杖は体勢を崩した。
すぐに脹相が応戦し、男へ向かってカウンターを入れようとしたのだが、どうにも男の動きが可笑しい。
カウンターが抜かれる。
少し違う。
「打つ前に、消えた…？」
脹相が呟く。
と、と軽い音で男は二人と距離を置き地面に降り立つ。
「今の、」
「あぁ。速いっちゃ速いんだけど」
顔を拭う虎杖に脹相は「術式だろうな」と返す。
人間がする人間ならざる動きは、天与呪縛じゃない限り大抵が術式に起因する。
手を合わせた感じ、目の前の男は後者だろう。
「ふぅん、思ったよりやりよるんやね。少し嘗めてたわ。じゃあまぁ、もう少し速うしてみるか」
男の瞳が弧を描く。
乱戦か。虎杖が微かに確信し、男を迎え打つ覚悟を抱いた時、突如として三人の全身を味わったことの無い感覚が駆け巡った。
ぬる
言葉で表しようのない、この二文字が虎杖にとって表現できる限界であった。
次元と次元の隙間から、異形の何かが湧き出たような。
いや、もっと不気味で得体の知れない感覚だ。
あぁやっぱり、表す言葉がない。
生唾が喉をゆっくり伝う。
虎杖は、気配に促されるまま正体の方へと顔を向けた。
黒髪、細身の青年。
「あれ、一人じゃないんだ」
なんなんだ、コイツは。
虎杖は唇の裏で呟く。
強そうには到底思えない。
だけど、今の表しようのない感覚はコイツからなのは間違いない。
呆気に取られる三人。
現れた青年は、とんとビルの柵からまるで落下でもするよう、反動も踏み込みもなく軽い調子で足を離した。
数秒後、彼が降り立ちやってきたのは衝撃。
激しい音と共に、彼はただ降り立っただけで意図も容易く高架を囲んでいた障壁を破壊した。
脹相と虎杖は、マジかよと両眉を開く。
これ全部、コンクリートだぞと。
「誰が虎杖君の、何」
死刑執行人。
三人の頭にたった五文字で命を刈る名が浮かぶ。
彼らはまだ知らない。
この乱戦揺るがす場に、新たなる人間がやってくることを。
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます！！完結する…のか…？と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか！終わらせます！！笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします！！🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます！！完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします（^人^） (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです！！ (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに！！🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2023年9月25日 8時
