【呪術廻戦】ギャルと呪術-12-

552：ギャルと窃鈇之疑 ページ2

＿＿＿＿。



たとえば、ひとつの村にはひとつしか畑がなくて、その畑が生活の全てを担っていたとしたならば。
それらに毒を撒いた時、村人達は誰も頼らず死んでいくのだろうか。







日本列島を飛行機から見下ろせば、きっと見た人達は顔を顰めるだろう。
どうして、この地域だけはこんなにも暗いのか、と。

ここはどこだ。
ここは東京です。
そう返すと、きっと皆は揃いも揃って本当に東京なのかと訊ねるだろう。

一夜にして、東京の殆どは壊滅してしまった。
民間人の避難、インフラの崩壊、経済破綻、エトセトラ。
災害なんかではない。いや、災害ではあるのか。
自然災害、そうだろうか。
いや、“奴ら”は自然に発生したのだから自然災害なのか。

我々は、その災害に名称を付けることが出来ない。
何故なら、壊滅させてしまったのは“人ならざるもの”達だからだ。




呪霊。





これは、呪霊による災害だ。


都内立ち入り禁止区域は数多にも登る。
呪術師達による会議は夜通し続き、論争が論争を呼んだ。
元より結束力も無く、権力社会で出来上がった世界だ。そう簡単に解決されるわけが無い。

万年人手不足だというのに、呪霊が大量発生する現在彼らを祓える人員は満足に裂けないというのが現状。
民間人の警護もあれば、何より痛手なのは先刻起こった渋谷による事件の殉職者の数だった。


例の渋谷の一件が起こらなければこんな事にはならなかった。
前代未聞、許されざる事件。






判断した呪術総監部は、呪術師達全域に通達をだした。






一、夏油傑生存の事実を確認。同人に対し、再度の死刑を宣告する。

二、五条悟を渋谷事変共同正犯とし、呪術界から永久追放。且つ、封印を解く行為も罪と決定する。

三、夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し、渋谷事変を起こしたとして死罪を認定する。

四、虎杖悠仁の死刑執行猶予を取り消し、速やかな死刑の執行を決定する。

五、虎杖悠仁の死刑執行役として特級呪術師『乙骨憂太』を任命する。





そして＿＿＿＿、










六、渋谷事変にて両面宿儺との共謀容疑により、可借夜Aを特級呪詛師とする。また、上記三名と並び渋谷事変共同正犯とし死刑を宣告。



















「追っ手の連中、Aちゃんにぶっ殺されたってマジなん？」

京都。禪院家、邸宅にて女中に訊ねる男。

「だから言うたやん。その程度の連中、Aちゃんに敵うはずないて」

特別一級術師＿＿＿＿禪院直哉。

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