042： 小学生かアンタは ページ43
自身の掌に、Aはパシリと拳をぶつける。文字通り、その行動は『ぶちのめす』を表していた。
えっと、だから、要するに…と脳内で整理するヒソカ。
Aはヒソカの脳内処理が終わるのを待たず、彼の名を呼ぶと半ば強引に手を取った。
「私、貴方がお風呂に入ってる間自分なりに色々考えたの。今から、私は随分自分勝手な事を貴方に要求するのだけど、でも私としては巻き込むのなら貴方以外考えられないの。ヒソカ君、貴方を友人だと思って…いえ、強さと信頼を見込んで頼があるの＿＿＿＿」
Aが深く息を吸い込む。
深海の様な色をした瞳が、対称的な金の瞳を映した。
「私を、育ててみない？」
「喜んで。」
特にあれやこれを考えることもなく、半ば食い気味に即答したヒソカにAは「あのねぇ…」と肩を落とした。
彼の瞳が見たこともない程キラキラしている。小学生かアンタは。
Aはやれやれとため息をついた。
今の頼みごと、する相手間違えたのかしら。
瞳を宝石が如く瞬かせ、ぎゅっとAの手を握り締め、さながらその姿は尻尾を振る犬が如く。
ここまで喜ぶとは、流石に想定外だったと思ってしまうA。
「ヒソカ君…頼んだ私が言うのもなんだけど、これはかなり自分勝手なお願いなのよ？貴方の時間を私が無条件で使うってこと。それに、貴方にメリットなんて一ミリもないんだから。もっとよく考えたほうがいい。」
「メリットだって？あるに決まってるじゃないか♧君をボク好みに育てられるってことだろう？考えるだけでもワクワクしちゃうなぁ…」
ふぅ…と感嘆の音を吐き、ヒソカは背凭れに体を埋める。
しかし、Aの気分は晴れない。
彼女は、自分で言ったものの、こうも一筋縄でいくと思っていなかった。
何故なら、ヒソカと自分は『ただの友達』であるからだ。
こんなにも自分勝手で図々しいお願いを友達にするなんて…と後ろめたい気持ちがある。
すでに彼に死ぬ寸前を助けられ、念獣も除去してもらい、手当てまでしてもらった。
ヒソカはAから見ても、確かに変わっていて友達と呼べるのか、些か判断が難しい点がいくつもある。
けれど、それでも彼はAにとって『友達』なのだ。
孤高の暗殺者である自分が、友達と認定できる相手。
それは、普通の一般的な友達ではない。
誰かに襲われても殺しても死ななそうで、自分の事を疑わず、特別な目で見ない相手。
『ただの友達』という名目の、特別な人間だ。
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
