027： ボクのもの ページ28
崩れた瓦礫に背を預け、口呼吸で浅く息をしていた。
止血する体力も残っていないのか、腹部からは血液を垂れ流し地面に血溜まりが出来ている。
綺麗な銀の髪は泥と血で汚れ、額を切っているからか顔の半分が赤い。
驚いた。
Aがここまでボロボロになっているなんて、中々見れる光景じゃない。
ヒソカはAの傍にしゃがみ、彼女を抱き起こす。
「目は？」
赤く濡らした顔半分、その目の周りを拭ってやると彼女の目はゆっくり開いた。
切ってない。
言葉では発さなかったが、Aの瞳が言っている。
逆に、Aには喋る体力も残っていないという事になる。
Aの血の匂いが、ヒソカの鼻を掠めた。
その匂いに、一層ヒソカの中の禍々しい怒りが膨れ上がる。
自分の所有物に手を出される事ほど、彼の怒りを買うものはない。
…ボクのモノに手を出していいのはボクだけだ♧
Aを再び寝かせる。
瞳が血走り、ビキリと青筋がよりくっきりと浮かぶ。
遊び道具を壊した悪い子供を探して、殺す。
そのつもりで、ヒソカは立ち上がった。
「……、」
踵を返そうとした瞬間、片足を引かれる感覚。
鋭い瞳をゆっくりと動かすと、Aがズボンの裾を掴んでいた。
「…A」
君をここまでにしてくれるなんて、ボクは心底怒ってるんだよ。
そんな意を含ませ、ヒソカは低く彼女を呼んだ。
するとAは、余った微かな力で小さく首を横に振った。
縋るような瞳が、ヒソカの姿を映す。
自身を見つめる青い瞳。
なんて目をするんだ、君は…♢
ヒソカの中で、狂気の紐が解けた。
ボクも馬鹿だな…と短く息をつく。
同時に表情が緩まり、ヒソカは再びAの傍でしゃがむと申し訳なさそうな笑みを漏らした。
その笑みに、Aも安心したのか力なく笑い返す。
「全く、君って子は…♤無茶は良くないよ、女の子なんだから♧」
普段通りの調子で言いながら、彼女を横抱きにし持ち上げる。
担ぎ上げるのは、彼女の体に響くかもしれないと思いやめた。
いつもなら、「どこ触って…！！やめて、恥ずかしい降ろせ！！」と罵倒に拳が飛んでくるのだが、今回は大人しく抱かれヒソカに体を預けていた。
「うっ…さい、わよ…」
くしゃりと笑いながら、Aが零す。
その言葉に、ヒソカは喉で笑う。
「くく、なんだやっぱりAだね♤うん、健康健康♡」
誰が手をかけたかなんて、後でいいや♢
君の方が、ボクにとっては大事♤
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
