022： 奇術師の巧妙 ページ23
大概私も力はある方だが、この男と比べたら対したことはない。
悲しいかな。
腕を引き剥がそうと攻防しつつ言うと、ヒソカ君は嬉しそうな顔を浮かべた。
「んー、２割正解８割ハズレってとこかな♡」
「なにそれ、ッ全く、意味わかんないからッ」
あとちょっとで腕も外れそうだ、という所でヒソカ君は体制を立て直し私と再び体を密着させる。
振り出しに戻り、私は遂に諦めた。こいつと私では、執着のレベルに雲泥の差がある。
恐るべし、現役ストーカー。
ヒソカ君は顔を寄せ、ぐっと私に迫る。
「教えて欲しい？」
「…教えたら私に利点あるの？」
言っておくが、教えて欲しくないとは言っていない。
だって気になるじゃあないか。彼が私を殺したいのであれば、私はそれ相応の対処をしなくてはならない。
けれども、彼は８割＿8割の時点で10割ハズレとほぼ違いはないだろう＿も違うと言い切ったのだ。
一体何を持って、”愛してる”を使ったのか気にならないはずがない。
まぁ…十中八九碌でもないことだろうけど。
ヒソカ君は私の言葉に、「勿論♢」と述べたがその後すぐに「だが、」と私の唇に人差し指を当てた。
「ただでは教えられないかな♧君、さっき何か言いかけただろう？『貴方が大人しくしておけば、私は…』って…」
覚えていたのか。
私は、それが？という目を向けながら、唇に当てられた人差し指を払いのける。
ヒソカ君は楽しそうに喉で笑い、言葉を続けた。
「その後の言葉を教えてくれたら、ボクも君が知りたいことを教えよう♡」
取引というわけだ。
相変わらず、この男抜け目ない。
確かに、あの後の言葉には続きがあった。
もうどうでもいいかな、なんて思っていたのだが、言わなきゃ言わないでこの男教えろ教えろと煩くなること間違い無いだろう。
私はため息をついたあと、「仕方ないから。仕方ないから、教えてあげる。」と大事なことなので2回言いながら述べた。
「…明後日、空いてる…？その、夜さ、たまにはご飯一緒にどうかなぁ…なんて思ったり…思わなかったり…」
こんなトンチンカン相手に夕食の誘いをするなんて、改めてどうかしている。
仮にもこいつ、私のストーカーだぞ？
思えば途端恥ずかしくなり、声が尻すぼみに小さくなる。
いやまぁ、この人治療のしようが無いど変態ではあるけど、なんだかんだで私の話割と真面目に聞いてくれるし……って、
思ったよりも彼の顔が近く、思わず目を背けた。
腰に回る手が今になって恥ずかしい。
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
