046: 頼りなよ ページ47
「だ、だって、これは私の問題だし、…そこまでは、ヒソカ君に頼れないでしょ…いくら、我儘言ってくれるのは嬉しいからって…それは悪い。」
「一回半殺しになってるのに?」
「一回だけよ。」
ヒソカの言葉に、Aがムッとした顔を見せると、ヒソカはそういう意味じゃなくて…と肩を落とした。
この子は自分のことになると、すぐ命を簡単に投げ出すんだからなぁ…
全く、君の命が欲しくて堪らないこっちの身にもなっておくれよ♧
「あのねぇ、A。ボクさ、これでも君に手を出した相手に結構腹立ってるんだよ♧君が電話をかけてきて、『助けて』って言った時は本当に焦ったし、ボクの大事な獲物に手を出してる時点で許せないし…♢」
真面目に聞いてるの?と、Aの額目掛けびしとデコピンを喰らわす。
少し強めに指を跳ねさせたために、Aは鈍い声を漏らし額を抑えた。
「い゛ッ…何すんの、っ」
「自分だけみたいな言われ方してむかついたから♤君、ボクの前で長女の顔するの禁止ね。家族とか、自分の手の中にあるものの為ならすぐ自己犠牲図るんだからさ♢」
Aの言葉を遮り、ヒソカは間髪入れず述べた。
自分が目をつけた獲物に手を出され、黙っているほどヒソカは優しい人間じゃない。
「君を育てて終わり?一発殴ってやるぐらいはしたいけどね♧……自分だけみたいに言うなよ。もう少しさ、……ボクを頼りなよ♢」
額に手を当てたまま、ヒソカの言葉にAは目を丸くする。
ヒソカは前髪をかきあげると、バツが悪そうに「…こんな事言うキャラじゃあないんだけど♢」と呟いてみせた。
よりその言葉にAは驚く。
飄々としていて、いつも余裕気で、いつも指先で顎を掬いあげるようなそんな感覚になる言葉ばかり吐くこの彼が。
今はまるで余裕がないという顔をしている。
……ヒソカ君でも、恥ずかしいと思うことあるんだ。
これほどまでに自分をみせて親身になってくれている、そう思っていいんだろうか。
そう思うと、嬉しかった。
Aは俯きがちに、しかし少しだけ表情を緩め「…うん」と呟く。
その言葉に、ヒソカへの『ごめん』という感情の全てが詰まっていた。
ヒソカはその呟きに、少しだけ面食らった顔をしたが垣間見得たAの表情を前にすると、思わず先程までの気に食わない感情だとかがどうでも良くなってしまった。
そんな、酷く嬉しそうな顔されると…付け上がっちゃうじゃないか…♤
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます!🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません!笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです! (2月19日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん?掃除機からぽんっ!!ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…!いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず「きた…!」と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね? (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年5月24日 15時