039： 愛の形は様々 ページ40
一心不乱に言葉を吐き捨て、｢逃げた方がいい！｣と言い張る男。
あー…そんな事もあったけど、彼女の前で言うなんて…
君いい趣味してるねぇ♤
ほら見てよAの顔を…
どう見たってAの表情は平静を装っているが、『ヒソカ君最低。』という感情が染み出している。
言っておくけど、ボクはA一筋だから！ほら、その女は確かに殺したけどお遊びって言うか…と言いたいのだが、余計にややこしくなりそうなのでとヒソカは仕方なく口を噤む。
｢君、どうなんだッ！！？｣
Aに迫る男。遂に、Aがため息混じり口を開いた。
｢どうなんだって……ええ。貴方の言う通り、彼は息を吸うように平気で他人を殺す男だけれども、｣
するり、とヒソカの腕にAが突然腕を絡めた。
それもまるで、本物の恋人のように肌を密着させて。
｢彼、言った通り私の恋人なの。｣
男はその言葉に目を剥く。
そして、ヒソカもAの思い切った言葉に目を丸くさせた。
今、君、なんて？
｢私たち、ほらちょっと変わってる恋人同士だから……行為の時に思わず傷つけちゃうのよ。この傷はそれで出来た傷だから、心配しないで。｣
いつもの事なの。とAは述べくすりと笑みを見せる。
思わせぶりで、言い聞かせるよう甘く柔らかい声音で。
思わずヒソカは｢ダメだ顔がニヤつく｣と、肩を震わせ顔を抑える。
あのAが、まさか仕方ないとはいえここまで言ってくれるとは思っていなかった。
君って子は本当に…
何処までボクを喜ばせれば気が済むんだ…♡
高ぶる高揚感を抑え、ヒソカはAの頭をぽんと撫でる。
｢そういうことだからさ、愛の形は様々って言うだろう？｣
くく、と笑ってみせると、男は顔を歪ませ｢あ、頭おかしいんじゃないか！！？｣と負け犬宜しく吐き捨てそそくさと逃げていった。
ヒソカはその後ろ姿に、ひらひらと手を振る。
一件落着、しかしそれよりもヒソカはAの思い切った対応が堪らなく嬉しかった。
Aは嘘をつかない。何故なら、彼女は全てのことに置いて正直な人間だからだ。
その彼女が、自分の為に嘘をついてくれた。
「あぁA、ボク今凄く君を抱きしめた＿＿＿＿＿あれ？」
自身の腕に、腕を絡ませていたAが忽然と消えている。
代わりに、出入り口の扉に目を向けると、Aが神妙な顔をしてこちらを見つめていた。
片手には携帯、後ろ手にドアノブ。
……なんだい、そのいつでも逃げられますみたいな体制は。
「……誰。」
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
