プロデューサーが気分屋の巫女さんだった件。 3rdStage ＊ツキウタ。＊

　○106point ページ9

貴方side
―――――――――――――




　貴「……ふぁ…」




　ごしごし、と目をこすりながら起き上がった。

　携帯を見ると、アラームが設定されていない。

　壁に掛かったカレンダーをボーッと見ながら、あぁそうか、と納得した。

　今日は仕事も無いし、大学も授業入れてない日だから…か。




　貴「……っくしゅ」




　突然のくしゃみ。

　そういえば、何か体がだるい気が。

　…まぁ気のせいか。

　ふらふらとベッドから立ち上がり、そのまま共有ルームへ向かった。

　ドアを開けると、誰もいない。




　貴「あら…もしかして今日、皆いない？」




　テーブルの上にはラップに包まれたお皿。

　上には、「チンして食べてね。by葵」と、紙が貼ってあった。

　ふむ…チンして。

　……いや、別に電子レンジの使い方が分からないわけじゃないわよ？

　うん、そんなわけない。恋達が使ってるいるのを毎回見てるから…できるはず。

　というか、できなきゃおかしい！！


　私は、お皿を持って、電子レンジの前へと立った。

　……………。




　貴「…ま、まぁ朝ご飯は置いといて、先に誰が寮にいるか、見に行こうかなぁ〜…」




　勘違いしないで欲しい。

　逃げたわけじゃない。決して、逃げたわけではない。

　自分に言い聞かせながら、共有ルームを出た。




　貴「さ、て…」




　グラビの皆は今日一日いないから…いるとしたらプロセラかな。

　私は三階に上がった。

　プロセラ共有ルーム…ドアを開けても、誰もいなかった。

　…誰もいないのか…。

　そう分かると、電子レンジが頭をちらつく。

　いや、まだ誰もいない訳ではないはず！

　個人部屋に誰かいたりするはず！

　そう願って、近くにある部屋の扉に手をかけた瞬間。

　誰かに、ぎゅっと身を包まれた。




　隼「第一村人、発見〜てね。僕以外に誰もいないのかな〜？って思って探してたら、Aがいたんだね、ふふ、ラッキー♪」


　貴「……(ち、違う！私が願ってた奴と違う！いや確かに誰かいてくれと思ってたけど、コイツ(隼)は誰かの内に入ってないから！入ってないから！！)」




　私の脳が、危険信号を発している。

　頼んだの隼じゃない！もっと平和そうな奴！

　欲を言えば、ご飯作ってくれる夜！夜が良かった！！

　心の中で絶叫していたら、不意に隼が、言った。




　隼「？……何だか、体が火照っていない？A」

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