玉響を厭いながら ページ4
「あ、あれ芥川先輩…？そっちにいる女は…」
任務中、突然通信が途絶えたので芥川の身を案じた樋口は急ぎ現場に向かう途中、彼の奇行を見かけ目を白黒させた。
誘拐…？
…と呼ぶのにはあまりに堂々としているが、他にこの状況を表す適切な言葉が樋口には浮かばない。
「ちょっと、放してください！私には探し人がいるんですが」としきりに喚く少女を力任せに引きずっていく芥川。周りの人々は遠巻きにその様子を眺めている。どうやら厄介ごとに巻き込まれたくないようだ。
それにしても。
今回の任務は武器庫荒らしの粛清で、標的は男だったはずだ。何がどうなって、先輩は18くらいの女を引きずっているんだろうか？訳がわからない。
樋口は適当な場所に車を止めると、下車して芥川に駆け寄った。
「あの、先輩？」
「ああ、樋口か、丁度いい」
「？…この方の後輩さんですか？ちょっとどうにかして下さいませんかこの方」
「…」
自分と同い年くらいの同性が来たので多少安堵したのだろう、救世主到来とでも言いたげに瞳を輝かせる少女を一瞥し、樋口は訪ねる。
「あの、芥川先輩。こちらの女性は一体？」
「…首領に会わせる。樋口、車で来たのだろう？この女を乗せろ」
「…はい」
質問の答えになっていない返答だが、芥川がそう言うならそうするしかない。
「申し訳ありませんが、同行して頂きます」
「あらら…？困りましたね」
困った顔のわりには抵抗せず、連れられるまま車に乗り込む少女に違和感を覚えつつ、一行はマフィアの本部に向かった。
続く
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茂木 - すみません。一回更新してから暫くして気付き、きちんと外したつもりだったのですが。まだ残っていましたか？ (2018年7月10日 18時) (
レス) id: f53deb6bef (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月8日 21時) (レス) id: bf21fb724f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茂木サカナ | 作成日時：2018年7月8日 21時
