行かないで・・涙。(tkxin♀)涙シリーズ(１)

＝１９滴＝ ページ19

「キラキラした女子高生ではなかったの。」



俺は、慧の顔を覗き込みながら

「そっか・・。キラキラ・・ねぇ・・。
　でも、今はスッゲェ〜、キラキラして
　フワフワしてんぜ、慧。」


「そーぅ？キラキラ・・してる？」


「ああ。」




慧は人差し指を頬に当てて

「キラキラな女子高生？」

ってニコニコ。



「おぅっ。スッゲェー、
　キラキラ、可愛い女子高生だっ。」


「もぅー。」って、慧は口をぷぅっとさせる。



「もぅって何だよ。褒めてんじゃん。」


「う――、だって・・
　雄也君って、へぃきでそうゆーコト
　言うんだね。チャラいのっ。」


「俺はな、慧。」


「なーに。」


「俺は、見た目よりチャラくねぇしっ。
　中身は真面目な男だしっ。信じろよ。
　可愛いと思ったから、可愛いって言ったんだ。
　素直な感想だっ。・・ふふ、可愛いね、慧。」

そう言って、グッと顔を近付けると



慧は、「もぅ。」って言って、もじもじと

俯いてしまう。



ユラユラと空に滲んでる

夕陽の影が、慧の睫毛に落ちて

ゆらりと揺れる。




プルリとした慧のピンクの唇が

夕陽に照らされながら、ゆっくりと動く。



「んっと・・雄也くん・・。」



「ん？なーに、慧。」


「あ、あのね・・。土曜日にね、３時ぐらいまで
　なんだけど・・」


「ん〜〜。」


「その・・ね、お買い物・付き合ってほしーの。
　・・だめ？」


「ああ、買い物ね。いいけど、どーした？
　引っ越して来て、部屋でなんか不便な事あったか？」


「んーん、ちがうの。あたしね・・これまでずっと
　女の子らしいカッコしてなかったから・・ね。
　その・・ママが・・。」


「ああ、俺達男３人居て、安心になったから
　女の子らしい格好思う存分していいって
　昨日、光さん言ってたな、慧に。」


「ぅん、そーなの。んでねぇ・・あたし
　一枚もかわいーお洋服持ってないの。
　だから、お買い物付き合ってほしーの。
　お願い、雄也くん。」


「ああ、いいよ。
　慧に似合う、ちょ〜可愛いの
　俺が選んでやるよ。」


「もぅ、またぁ・・。雄也くん、あそびにんー。」


「だから、ちげぇーってっ。」


「んふふ〜〜〜。」

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