行かないで・・涙。(tkxin♀)涙シリーズ(１)

＝１４滴＝ ページ14

「は、はいっ。」


いい返事をした慧は、ちょこちょこっと動き

前から２番目の席にストンッと座って

クルリと、２列飛ばした窓側の俺の方を向き

ニコニコして、白い手をヒラヒラ振っている。



俺は「ふっ。」っと笑って手を振り返すと

裕翔が・・

「デレデレじゃん、雄也。」



「うっせーなっ。可愛いもんは可愛いんだから
　仕方ねぇーだろっ。」


「かわいーって・・
　それ、妹として？それとも女の子として？」


「いーだろ・・どっちでも。
　うっせーなっ・・ったくっ。」



・・フッと慧に視線を戻すと

前の席の知念と、楽しそうに喋ってる。


ほっ。よかった。

友達、できそうだなっ。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




昼飯の時間になって、

ぴょこぴょこっと歩いて、慧が俺の席に来て

「雄也くん。
　一緒に、お昼食べよう？」



「あ〜、あぁ。・・っと、裕翔はえーな、もう居ねぇ。」


「ゆうと・・くん？」


「ああ、俺の幼なじみでさ、小１ん時からツルんでんだ。
　まぁ〜腐れ縁ってやつだ。」


「腐れ縁・・。」


「そ〜。あ、中島、中島裕翔っつーんだ。」


「なかじまくん・・。」


「多分、裕翔が、今日天気いーから
　体育館裏んトコ取りに行ってると思うんだ。」


「体育館裏・・なんか、あやしー。」


「怪しくねーって。うちの学校は
　庭園みてーになってんだ。んで、そこに
　屋根が付いた６人ぐれー座れるテーブルと
　ベンチが置いてあんだよ。」


「ほわぁ〜。すごぃっ。さすが東京の学校だっ。
　行こう〜そこっ。たのしそぅ。」


「ああ、じゃ行こうぜ。
　今日は涼介の弁当だっ。」


そう言いながら俺はリュックから

弁当を出して行こうとすると、



「ん。えっと・・雄也くん？」

慧は弁当を大切そうにキュッと抱き締めながら

俺をジッと見る。



「ん？何だよ？？」


「あの・・あのね。
　ゆーりちゃんと・・けーとちゃんも
　いーい？・・いっしょ？」


「へぇ？！何も〜友達２人も作った？」


「うんっ。」

って、嬉しそうにニコニコしてる。

ニコニコ・・かわいーなぁ。


「ほぉ〜。慧スゲェーな。
　前の席のテキパキしっかり小リス系女子知念と、
　後ろの席のおっとり穏やか大人系女子岡本か。」



「うんっ。うふふ〜。
　２人とも、優しくって、キレイでかわいいのっ。
　きらきら女子なのよっ。東京ってすごいのっ。」

「ふふっ。じゃ、行くか？」

「うんっ。あ、２人呼んでくるっ。」

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