=39滴= ページ39
「慧は、いらなかったの。パパと・・パパとね
一緒、いっしょに、いたかったから___。
けいは、いーよ、いらない。公園のおみずで
いいよって、だいじょぶって、いったの。」
「慧・・。」
「けいから、はなれてほしくない。
置いてかないで、行かないで。
置いて・・いかないで・・ほしかったの。」
慧は遠くを見つめて・・
寂しそうに、パパの面影を追っている。
もっともっと、ぎゅぅっと強く
白猫の抱き枕を抱き締めて・・。
「・・でも、パパは笑顔で待っててって・・。
ココで待ってて。って言って、行っちゃったの。
・・それっきり・・パパ、帰ってこなかった。」
ぎゅぅぅっと抱き枕を掴んだ慧の手を
そっと握って
「慧・・。」って優しく呼んだ。
慧は、俺をジッと見つめて
苦しそうに悲しそうな顔をする。
・・俺では、慧の心の傷は・・癒せない?
癒せないのか____?
なぁ・・慧?
すぅっと、息を吸って慧は
「けいは、まったの。たくさん。
パパは、夜になっても戻ってこなくて・・。
お仕事から帰って来たママが、一生懸命に
探してくれて・・。ママが公園にきて・・
きてくれた・の。」
「慧・・。慧の親父さんは・・?
どこ行っちゃったんだよ・・それで。」
「んっと。ママには聞けなくてね、あたし。
・・近所の人の噂で、パパはね女の人と
居なくなったんだって。」
「女・・。」
「ん。・・あたしね、思ったの。
なんで?なんで・・公園に置いて行ったの?
別に、お家に居てもよかったのにって。
けいは、ずっと、ずーっと待ちぼうけで、
ちびっちゃぃ慧は、疲れちゃったの。」
慧はグッと、下唇を悔しそうに噛んでから
「泣いても・・ないても、パパはもどって来なくって。
待ってるあいだ、いろんな事おもったの。
パパ、迷子になったの?パパ、転んじゃったの?
パパは、けいのコトすきくなかった?
けいが、わるいこだったから?
パパをしんぱいして、じぶんをたくさん
たくさん・・せめたの。」
少し俯いた慧が、
「・・あたしね、人の背中見るのキライなの。
だって、だってね、パパのコト思い出すから。
行かないでほしいのに、離れないでほしいのに
・・背中が、どんどん遠く遠くになってね__。」
震えた息を吐いて
「・・涙が零れてくるの。
パパを思い出して___。ホントは、
泣きたくないのに、思い出したくもないのに。」
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あひる☆(プロフ) - あなちゃんさん» 体育祭、お疲れ様でしたぁぁぁ〜〜!!なに、なに、なんの競技に出たの??足早い?おべんとー美味しかった? (2017年10月9日 11時) (レス) id: 5fe78a7341 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - あさん» あさん、本当にここまで来て下すってコメントも書いて下すって・・ありがとうございます!!あひる☆でした!!長文でごめんなさい。 (2017年10月9日 11時) (レス) id: 5fe78a7341 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - あさん» そうですよねぇ〜。夢小説書けばいいんですよねぇ。でも!!伊野尾さんで書いてしまってます、何なら他のお話しで山田さんも高木さんも原型留めてないんです〜。うふふ。あ!メロメロな設定って分かって下すって嬉しい。 (2017年10月9日 11時) (レス) id: 5fe78a7341 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - あさん» そして、あさん、原型を留めてないのは、仰る通りです。だって、あひる☆思ってる伊野尾さんですので。ハッキリ言って、見た目大好き。だから書いてます。うふふ(´艸`*)もう、あさんも、なんだかんだ言って読んで下すってるので、愛感じてます。ぁぃ(。・ω・。)ノ (2017年10月9日 10時) (レス) id: 5fe78a7341 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - あさん» あさんっ!4コメントもありがとうございます!!厳しいご意見真摯に受け止めまして、精進していきます!!と、言いながら・・たぶんまた、この様な伊野尾さんを書いてしますと思います。すみません。つづく。 (2017年10月9日 10時) (レス) id: 5fe78a7341 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あひる☆ | 作成日時:2017年9月27日 11時