行かないで・・涙。(tkxin♀)涙シリーズ(１)

＝３滴＝ ページ3

「ある＿＿＿。ありますね・・ご立派なのが・・。」



そう言うと

「もぅーっ。」って言って

慧君がぷんぷんして、パッと手を離した。




＿＿＿やっわらけ〜〜〜。って、思った俺。


ずっとさわってて〜って、俺、心の隅の方で思った。



俺は、ふぅっと息を吐いて落ち着いてから

ぷぅっと膨れてる慧君に

「いやーさ、うーんって悩んでたのは、
　どーして最初男の子って言ったかつー事が
　気になってさ。」


「んっとー。あたしね、子供の頃から
　変なおじさんとかお兄さんに狙われる事が
　多くてね・・。それで、ママが苦肉の策で
　男の子としてあたしを小学生まで育ててね。
　中学もこの前まで行ってた高校は女子校
　だったんだけど・・。
　学校以外は、男の子みたいにしてたの。」


「へぇ・・苦労してんだなぁ。」


「ぅん。髪もこれいじょー伸ばした事ないし
　スカートも履かないし・・。」


「しかしさ・・どーして、これから
　家族になんのに、なんで光さん・・
　慧君の事、息子って言っちゃったの？」


「んー、わかんなぃ・・。
　たぶん〜ママの天然さんが出ちゃったのかもぉ。
　あたし、遅れて行ったでしょ、お食事会の時。」


「あ〜、そうだったね。」


「だからね、ママがあたしの事どーやって
　紹介したのかわかんなくって・・。
　あとで宏太さんが、『息子が３人になって嬉しい』って
　言ってくれて・・あっ。って思ったの。そしたら・・
　涼介くんが、『可愛い兄ちゃん出来て嬉しい』って
　言ってくれて・・あたし、血の気引いちゃって＿＿＿。」


「ああ、だからあん時、顔真っ白だったんだ。
　具合悪いのかって思ってたんだ俺。」


「んーん。青ざめちゃったの・・あたし。
　何度も否定しようとして失敗して・・
　出来なくて・・今に至るの。ごめんなさい。」


「いや、いいよ。そんな・・。」


「・・たぶんね、ママは・・忘れてると思うの。
　ママが息子ですって言った事。」


「ふふふ。ずいぶんと天然で可愛らしい
　ママだね、光さんは。」


「ん〜。あんなに天然さんでも、一生懸命に
　お仕事してあたしを女手一つで育ててくれたの。
　だから、すっごく感謝してるし・・。
　あたし幸せになって欲しいなって思うんだけど
　でも、でもね・・。」


「でも・・？」


「んっと、何てゆーか、高２にもなって
　・・恥ずかしいんだけど・・。」


「何？」

「ぅんとね・・。さいしょはー。」

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