行かないで・・涙。(tkxin♀)涙シリーズ(１)

＝１７滴＝ ページ17

「あれ？ゆーり知らないの？」

って、穏やかに喋る岡本を


知念がサンドイッチをモグモグして見ながら

「ん・・知らないけど・・？
　え？圭人・・知ってるの？」



「知ってるも何も、涼介君ってね
　高木君の弟さんで・・この学校で
　高木兄弟って有名だよ。
　弟さんの涼介君は中等部の３年生で、
　知らない人はいない・・人気者なの。
　わかった、侑李？」



「え・・そーなんだぁ。
　しっかし、ビックリするくらい、
　このしょうが焼き美味しいのっっ！
　絶対、お店出せるぐらいにっ。
　お店あったら、毎日通っちゃうな、私。」



慧は、クスクスと楽しそうに

「ゆーりちゃん、そんなに感動したんだねぇ。
　・・あ。じゃぁ、ゆーりちゃんっ。
　今度お家においでよっ。きっと涼介くんに
　頼めば、しょうが焼き作ってくれるよ。ね！」


「そ、そーかなぁ。」


「うんっ。ね、雄也くん。」


「あ〜、そうだな。何なら、嬉しくって気合入れて
　しょうが焼き定食にして出してくれんじゃねぇかな。」



慧は、箸をぎゅーっ握り締めたまま

嬉しそうにウキウキして

「あ。あたし、いーコト思いついたのっ。
　んっと、今度の土曜日の夜にね、
　あたし、“しょうが焼き定食パーティ”
　したいっっ。ね、どーぅ。雄也くんっ。」



「“しょうが焼き定食パーティ”って聞いた事ねぇけど
　・・まぁな。いーかもな。つーか知念の予定は？」


「あ、そっか。ゆーりちゃん、
　どよーび、あいてる？？」


「うんっ。もちろんっ！！
　しょうが焼き食べられるなら空けるよっ！」


俺は、キャピキャピと盛り上がってる

慧と知念を見ながら

「わかった。ちょっと涼介に電話して
　聞いてみんな。」



「「うんっ。」」





俺は携帯を出して、涼介に電話を掛ける

ちょっとして＿＿＿不機嫌そうな涼介の声に


「んっだよ、お前。・・なぁ涼介。おぉ、
　な、でさ、ちょっと相談が・・おお。
　あ〜慧がさ、ああ。その土曜日に
　“しょうが焼き定食パーティ”なるものをだな
　開きてぇーって。・・まぁその説明はおいおい。
　おぉ、で、土曜空いてるか？あぁ・・くくっ。
　お〜〜サンキューな。」


って、言って俺は電話を切って



慧に向かって

「慧に代われって言われたけど、ガン無視したった。」



「もぅっ、雄也くん。そんなコトして
　涼介くんが作ってくれなくなっちゃったら
　どーするのっ。」

「へーきだって。」

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