鼓動 #3 (ページ11)

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「ママ、、靴下きつい、、脱ぎたい、」

「やってあげるからね、大丈夫だよ」

さっき足が冷たいからって履かせてもらった靴下が浮腫できつくて、でも自分では動けなくて、申し訳ないけどママにお願いするしかない。

「トイレ、いく、」

フラフラ起き上がって、部屋の中にあるトイレに行くのも一苦労。ママに支えてもらって、なんとか戻ってくると心臓が暴れて看護師さんが様子をみにくる。

「松田さん、苦しくないですか？不正脈続いてるね」

「トイレ、行ってきたから」

「そっかそっか。ちょっと苦しそうだからサチュレーションとるね。痛みはどうかな」

「心臓、痛い、、」

「負担かかっちゃってるね。安静にしてね。苦しかったら少しだけ起こすと楽な時があるよ。ちょっと背中起こしてみようか」

少しだけリクライニングを起こしてもらうと、多少息がしやすくなる。少し楽になったせいか、ママが看護師さんにお礼を言っている間にまた眠くなってきて、そのまま眠ってしまった。

・・・

Matsukura

元太が熱を出した次の日の朝、また元太ママから電話がかかってきた。今日は如恵留がうちに泊まってくれている。

「え？」

元太の状態が良くないことはわかったけど、慌ててしまってみんなに説明できる気がしない。ママに言って、隣にいた如恵留に一旦説明してもらうことにした。

「お電話代わりました、川島です」

如恵留の電話を聞きながらも、不安で涙が出そうになった。最近、元太のことで自分が不安定なことは分かってる。みんなも心配してくれて、こうして1人にならないようにしてくれる。元太の面倒をみるって張り切ってたのに、俺が面倒見てもらってて、情けない。でも、みんなその気持ちまでわかってくれて、いまは何も考えなくていいと言ってくれた。

「元太ね、昨日の夜大きな発作を起こして、心臓の動きがうまくいかなくなっちゃったんだって。もちろん、病院にいたからすぐに治療して、いまは大丈夫なんだけど、熱もあるし、体調も不安定だから手術まではICUに入るみたい。でもね、手術で改善するはずだから、大丈夫だよって」

電話を切った如恵留がゆっくり説明してくれて、ようやく「大丈夫」という言葉が頭に入ってきた。