強くて、優しい ページ33
青×白
ノンリアル
ユルピころん様リクエスト
Noel
「如恵留先生、おはようございます」
「あ、おはようございます。今日もよろしくお願いします」
いつものように出勤して、パソコンに向かう。最近夜遅い日が続き、体調が悪い自覚があった。
「如恵留、おはよう」
「しーくん、おはよ」
同僚の閑也に笑い返すと、忙しなく動いていた彼の手が止まる。
「ん？どうしたの？」
「如恵留、体調大丈夫？顔色悪いよ」
あっという間に不調を見透かされて、分かりやすくドキッとしてしまう。
「ちょっと疲れてるだけ。大丈夫だよ」
「休んだ方がいいんじゃない？無理していい身体じゃないんだから」
その言葉に、うん、と頷く。僕は子どもの頃に大病を患って、一応治ったということになっているが、やっぱり身体はそんなに強くないし、体力も平均より劣ると思う。努力でなんとかカバーしてきたつもりだけど、身体だけは、どうやっても強くはならなかった。大学からの同期である閑也はそれをよく知っていて、心配してくれている。
「明日は休みなんだよ。だから、今日だけ頑張る」
「限界まで頑張るなよ」
「わかってる」
僕の性格もよく知ってくれている閑也はそれ以上言及しないでくれて、代わりに無言でフルーツジュースをくれた。
「元太のところ行こうかな」
僕が受け持っている高校生の、松田元太くん。先天性の心疾患があって、手術や入退院を繰り返してる。今もあまりいい状態ではないけど、本人は明るくて、とてもいい子だ。
「げんたー。おはよー」
声をかけて病室に入ると、4つあるベッドの1番奥に1人で横になっていた。4人部屋だが、ちょうど入れ替わりで1人になってしまったらしい。
「元太、ちょっとしんどい日かな」
もう朝食が終わっている時間なので、学校の課題やゲームをやっていることが多いが、今日は横になっていた。
「んー、、ちょっと、怠いなーって思ったから、ゴロゴロしてた。あんま寝れなかったんだー。でも熱はないよ。天気悪いからかなー」
そっか、天気悪いからか、なんて自分のことも考えつつ、いつものように診察をする。
「あれ、元太ちょっと浮腫んでない？」
「あー、たしかに、言われてみれば」
「苦しくない？」
「へーき」
「うーん」
元太の脚を見ていた状態から起き上がると、フッと血の気が引く。咄嗟に柵を掴んだけど、すぐに視界がホワイトアウトしてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イカ(プロフ) - かおりさん» リクエストありがとうございます。少し時間を頂いてしまうかもしれませんが、考えてみます！ (2023年1月13日 18時) (
レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
かおり - すみません付け足しで、リアル設定でお願いします！ (2023年1月13日 11時) (レス) id: b38a957dc4 (このIDを非表示/違反報告)
かおり - リクエストなのですが、のえんちゅで、のえるくんが精神的に落ちていてひとりでいるときに、海人くんが気付いて助けてあげるお話をお願いします！ (2023年1月13日 11時) (レス) id: b38a957dc4 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - ユルピころんさん» 感想ありがとうございます。遅くなってしまって、申し訳ありません！ (2022年8月1日 22時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ユルピころん - イカさん» お話見ました！如恵留くんが頑張っているところやしめちゃんの医者で頑張っているところがカッコよかったです！またリクエスト送りますね〜！ (2022年8月1日 10時) (レス) id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イカ | 作成日時：2022年6月18日 10時
