ずっと、一緒に #2

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次の日は、何も考える気が起きなかった。朝食が運ばれてきたけど、起き上がる気力もなくて。ただ、天井を眺めていた。

「海人くん、今日の分のお薬はじめるね」

声をかけられたけど、指一本動かす気にならなかった。

「っ、、」

それでも容赦なく吐き気はやってきて、胃から胃液が上がってくるのを感じる。身体を起こすか、ナースコールをするか、タオルをとるか、何かしなくてはいけないと思うのに、身体は全く動かなかった。辛うじて身体を横に向けると、そのまま嘔吐してしまった。

「ぅ、、」

気持ちが悪くて、何もできない自分が惨めで、涙が止まらなくなる。手に握っているナースコールのボタンを押せばいいだけなのに、それができなかった。

「失礼しまーす、、あれ、海人くん吐いちゃった？たいへんたいへん。綺麗にしようね」

ごめんなさい、そう言いたいのに吐き気が止まらなくて、また何度か吐いてしまう。

「気持ち悪いねぇ、、髪の毛洗った方がいいね。先生に聞いてみるね」

顔も髪もベタベタになってしまって、嘔吐が落ち着いたタイミングで髪を洗うことになった。

「タオル被っていこうね。しんどくなったら言ってね」

正直ずっとしんどくて、車椅子の上で座位を保つだけで精一杯だ。

「ゆっくり移ろうねー」

洗髪台に横になって、ようやく身体の力を抜く。顔も洗ってもらって、少しさっぱりした。

「汚れないようにタオルかけておいてもいい？」

その言葉には頷くことができて、背もたれを起こしたベッドに身体を預けた。

「お着替え大変になっちゃうから、首の周りにも巻かせてね」

部屋に戻ってくると、どっと疲れてしまって、目を開けていられなくなる。

「少しお昼寝かな」

その声に頷けたかどうかは分からないけど、この怠さを眠ってやり過ごせるならそれでいいやと思い、そのまま目を閉じていた。

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