・ ページ3
・
「ん、、、」
目を開けると、喉が痛くて、ひたすら身体が重かった。
「あ、海人くん、起きた?」
担当医の声がして、ぼんやりと働かない頭で、なぜここにいるのかを考える。
「のえるくん」
「如恵留くんはね、後で来てくれるよ。まだお熱高いからね、ちょっと病院お泊まりしようね」
何も考えられないのに、じわじわと涙が溢れた。寂しくて、怖くて、悲しい感情が心を支配する。
「のえる、くん、、ごめ、なさ、、」
「なんで病院にいるか、思い出した?」
そう聞かれて、頷く。とんでもないことをしてしまったのだと、漸く理解できた。
「ごめ、なさ、い、、ごめんなさい、」
「無事で、よかったよ。如恵留くんがすぐに対応してくれたおかげだね。ありがとうしなくちゃね」
「のえる、くん、」
「なんで、飲んじゃったか、覚えてる?」
曖昧な記憶を手繰り寄せる。自分で薬を飲んで、大丈夫だったよって言いたかった。ただ、それだけだった。でも記憶の最後にある兄は泣いていて、思っていた結末とは違っていた。
「おれ、、じぶんで、できると、おもって、」
「うん」
「のえるくん、おふろ、だったから、、ゆっくり、して、欲しかった、、自分で、できたよって、、言いたかった、のに、」
涙が止まらなくなって呼吸が苦しくなる。
「そっかそっか。そうだったんだね。海人くんは、頑張りたかったんだね」
「のえる、くん、、」
「のえるくんに連絡してみようか」
その言葉に大きく頷いた。
172人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イカ(プロフ) - 6chan様:コメントありがとうございます!見つけていただけて、嬉しいです。のえんちゅが兄弟だったら、、と考えた末にたどり着いた関係性でした!私も気に入っているフレーズなので、気づいていただけて嬉しいです! (2022年4月22日 5時) (レス) @page26 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
6chan(プロフ) - 先日こちらを見つけて、一気に読ませていただきました。「自分が滞りなく生活することが、兄の1番の安心材料であることを知っている」って関係、めっちゃいいですね!! (2022年4月21日 0時) (レス) @page20 id: f726c31193 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - ファンタ様:ありがとうございます!応援励みになります。これからもよろしくお願い致します! (2022年4月5日 8時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ファンタ - 移行おめでとうございます。また設定を書いてくださりありがとうございます!これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2022年4月5日 7時) (レス) @page2 id: 491e87fbb7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イカ | 作成日時:2022年4月5日 6時