あなたの世界を守るため #3 (ページ47)

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「大丈夫、俺が行くのが最善だよ。しめ、元太のこと、お願い」

そう言って立ち上がる松倉に、七五三掛は声をかける。

「分かった。まつくのこと信じてるし、信頼してるから、任せる。でも、任務じゃなくて、自分を大切にするって約束して」

「分かった」

「かい、と、」

「大丈夫。元太、すぐ戻るから」

そう言って松倉は階段を駆け上がった。

「元太、行こう。これだけ抜いちゃうね」

大きなガラス片を抜き、動けない松田を背負う。

「元太？」

「ご、め、、なんか、痛すぎてフラフラしてきた、」

「もう少しだから、頑張って」

脂汗を浮かべて痛みに耐える松田を背中に縛って、七五三掛は建物から出た。

『海人、てら、俺は建物から出るね』

「分かった、気をつけて」

そう答えながらも、中村は自分の呼吸が少しづつ浅くなっているのを感じる。

「海人、大丈夫？」

「まだ、へーき、、でも、長引くとやばいね、、暑すぎる」

「そうだね、、松倉大丈夫かな」

「くらは、絶対クリアするよ、その後が心配だけど」

そう言って、目線の先にいる宮近に向かって無線を入れる。

「海斗！そんな灼熱のルーフの上いたらだめだよ！そろそろはいりな！」

『大丈夫』

「だめだって」

そう言っても、宮近はその場を動かず、松倉が戦う建物に傭兵が向かわないよう、トリガーを引き続けた。

「しめ！」

吉澤がスライドドアを開けて、七五三掛と松田を車内に入れる。

「元太、おろすよ」

立ち上げておいた簡易ベッドに松田を下ろすと、暗い室内で見た時よりも、酷い状態だということに気づく。

「しめ、脱がせるの手伝って。ガラス片気をつけてね」

慎重に戦闘服を脱がせて、傷の手当てを始める。足の傷が深く、靴を脱がせると踝までパンパンに腫れてしまっていた。

「先に押さえよう」

七五三掛が身体を押さえて、丁寧に消毒し、大きな傷をテープで合わせていく。痛みに悶える松田の汗を拭き、松倉からの通信を待った。

「首謀者とその取り巻き5人縛った。このまま外に連れていくね」

そう報告をして、縄を引いたまま外に出る。正直その過程に何をしたかはあまり覚えていないが、周りに人の気配はないし、事前資料通りの人数だから、大丈夫だろう。ちょうどバックアップに来たジャンプが、それを受け取ってくれた。