あなたの世界を守るため #3 (ページ5)

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「まつくらー、大丈夫大丈夫」

「いたい、、いたいいたい、やだ、はり、やめて、いやだよ、、、」

「動かない動かない。力抜いた方が楽だよー」

なんとか宥めて、採血とルート確保を終え、抜去を予防するために小児科の子どもよりも頑丈に固定をする。

「終わったよー。がんばったねー」

その声も耳には届かず、過呼吸を起こす。

「やめて、、まま、やだ、、ぼく、気持ち悪い、」

「まつくら、ママはいないよ。大丈夫だからね」

処置を終えて拘束を解き、吉澤は呼吸を乱す松倉を抱きしめる。そして椅子を引くだけで驚いてしまう松倉のために、優しくイヤーマフをつけた。そのまましばらく背中を摩ると、徐々に身体の力を抜く。

「ごめ、なさい、、」

「謝らなくていいんだよ。苦手なのに頑張って偉かったね。今点滴はね、さっき飲んだスポドリみたいなやつと同じ成分なの。早く熱が下がるように、身体に必要なものを入れてるんだよ。だから、気持ち悪くなったりはしないし、どんどん身体が楽になるからね」

吉澤に顔を押し付けて、なんとか落ち着こうと必死に深呼吸を繰り返す。

「もうちょっとしたらね、剛くん来てくれるからね。少し休んどく？」

そう聞くと小さく頷いたので、少し軽くなってしまった身体をベッドに戻して、背中を摩る。

「ここで、ちょっとだけパソコンみてもいい？」

頷いた松倉に、ありがとね、と返してパソコンを開く。案の定川島から今日の報告のメールが来ていた。"然るべき対処をする"という、川島には珍しい強い言葉に、相当酷い相手だったんだろうなと思う。

「おじゃましまーす」

静かに剛がやってきて、松倉の前に座る。

「おつかれさん。少し海斗借りていい？」

「お願いします」

「閑也、夕飯食べたりしてきてええよ。僕はもうこの後ないから」

「すみません、ありがとうございます。松倉、俺ちょっとご飯食べてくるね。また戻ってくるからね」

「また、、くる？」

「くるよ。今日はここで松倉と寝るから」

横に剛がいるためか、素直に頷いて手を振ってくれた。もう一度お願いします、と言ってタイガーのフロアに戻った。