あなたの世界を守るため #3 (ページ4)

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「しず」

「んー？」

「かたく、そーさく、きた？」

「あ、うん。来たよ。でもね大丈夫だったよ。当たり前だけど」

「何人、きたの」

「6人きたよ。ちゃんと6人帰ったからね。大丈夫。フロアにはタイガーのみんなしかいないよ」

「おれの、ぬいぐるみは」

「あったところに戻してあるよ。部屋は元太が元あったように戻してくれたよ」

そういうと頷いて、落ち着いたのかと思ったが、逆に不安げに涙を流してしまった。

「どーした？もう大丈夫だよ？」

「ご、め、、でも、だれか、来たって思った、、ら、こわい、、」

「そっかそっか。じゃあさ、今日はこっち泊まろうよ。俺も一緒に寝るし。明日落ち着いたら一緒に戻ろう？」

「だれも、、こない？」

「来る人は、松倉のこと大好きな人だけだよ」

「んー、、、」

分かっていても、安心できる場所がなくて恐怖が消えない。怖くて怖くて、コントロールが効かない。

「あの、ね、、それ、で、」

飲んで吐いてを繰り返していたが、徐々に松倉の呂律が回らなくなってきて、いよいよ点滴を待てない状態になってくる。

「閑也、点滴入れよう。限界だと思う」

「分かりました。話します」

松倉に目線を合わせて手を握る。汗も出なくなってしまった額を摩りながら優しく声をかける。

「松倉、しんどいとこごめんね。今から点滴するね」

「やだ、、のむから、」

「飲むのは飲んで欲しいんだけど、今の状態だと、もっと辛くなっちゃうし、命に関わるの。だから、頑張って点滴繋ごうね。大丈夫、松倉は頑張れるよ」

やだやだと涙を流す松倉の身体を固定する。少ない人数で安全を確保するためには仕方のないことだった。

「やだやだやだやだ、、やめて、、やめてよぉ、」

「すぐ終わるよ。痛くないからね」

「翔くんやってくれるから、俺がやるより痛くないよ！大丈夫」

「閑也自覚あるなら練習しなよ」

「すいやせーん」

わざとくだらない話をして、なんとか松倉の気持ちを逸らす。見えないように衝立もして、本人には伝えずに採血も行った。

「いくよー」

「や、、やだ、も、やだよ、、いやぁぁあああ」

声をあげて、拘束帯の中で必死に逃れようと暴れる。涙を流しながら叫ぶ姿を見ていると、吉澤の目にも涙が浮かんできた。