あなたの世界を守るため #7

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「少しお水飲もう」

サイドデスクにコップを置き、薬を用意しながらその様子を眺める。ゆっくり動いて手を伸ばしたが、コップに触れるとすぐに手を引っ込めてしまった。

「あ、そのコップちょっとザラザラするな。ちょっと待っててな」

少し触っただけなのに、身体中を不快感が駆け巡る。ゾワゾワして、気持ちが悪くて、頭を抱える。

「ごめんごめん、嫌やったよな。普通のガラスのコップにしたよ。大丈夫やと思うで」

恐る恐る手を伸ばして、一口水を飲む。

「飲めた飲めた。じゃあ、お薬頑張ろうな」

時間がかかることを見越して、小鉢に錠剤を入れる。それを手に持たせると、松倉は動かなくなってしまった。今日はどれだけ時間がかかってもいい。何も言わず、焦らず、ただ待つことにした。

「つ、よしくん、」

暫くすると、松倉が口を開く？

「ん？どーした？」

「これは、、なんの、、くすり、ですか、、いつもと、違う、から、」

「そっかそっか。今日はな、海斗しんどそうやから、いつもと違うお薬にしたよ。ちゃんと朝まで眠れるようにな。でも、ちょっと強いだけで、中身はいつもと同じだよ」

また涙が溢れて、タオルに顔を押し付ける。辛くて、怖くて、薬を飲めば楽になることを知っているのに、なかなか手を伸ばせない。

「つ、よし、くん、」

「んー？」

「で、きない、、、」

「そっかそっか。じゃあ今日は僕が手伝おうか」

申告できたことを褒めて、隣に座り、ひとつづつ指示を出す。

「お薬口にいれて、、、大丈夫、大丈夫、、できたやん。ほら、お水飲んで。頑張ったなぁ、偉いなぁ」

声を上げて泣く松倉を抱き寄せて、薬が効くのを待つ。暫くすると松倉はそのまま眠ってしまった。

「明日も難しそうやなぁ」

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