・ ページ14
・
「つよしくん、、も、いそが、し、」
「俺は大丈夫。海斗と一緒にいるのが仕事。夜にな、光一と打ち合わせはあるけど、光一やったらきても大丈夫やんな。光一も海斗に会いたいと思うで。もしかしたら辰巳も来るかもな」
「でも、、俺、、はな、せない、」
「話さなくていいよ。寝たふりしててもいいし、横に座ってるだけでもいいよ。みんな海斗のこと分かってるからな」
ここに置いておいても、松倉は崩れるだろう。ただ、部屋に戻すと今度は年長組が休めない。本人たちは大丈夫だと言うだろうが、それでも、きちんと休ませたい。
「なんも考えなくていいんだよ。ずっと寝てても疲れるか。僕の仕事手伝ってくれるか?」
無心に打ち込める単純作業を頼んで、一緒にダイニングに座る。無理に話そうとせず、無音の時間を過ごしていると、松倉の纏う空気が、少しだけ柔らかくなった。
「あ、海斗。閑也がな、少し手が空いたから着替えとか持ってきてくれるって」
「しず、」
「2部署だから忙しいよなぁ」
吉澤が荷物を届けてくれて、でも打ち合わせがあるからとすぐに帰ってしまった。
「松倉、迎えにくるからね」
「しず、、」
我慢していたようだが、扉が閉まるとまたボロボロと涙を流す。
「ごめんなぁ、引き離してごめんな。でもな、今はちょっと離れていた方がいいと思うんよ。ちょっと一回リセットして、みんな自分のこと整えような」
松倉は預かるから、宮近のことを考えてあげるように、吉澤に伝えた。不安定な状態で一緒にいると、マイナスの方向に引きずりあってしまう。もう少し待ってもいいかと思っていたが、周りの環境的に、今日の様子を見る限り、松倉が限界だろうと判断した。繊細な状態で近くにいると、松倉が感情を受け取りすぎてしまう。
「つよし、くん、、」
「んー?」
何度も口を開いては閉じて、言葉を必死に繋ぎ止める松倉の背中を摩る。おそらくその出てきた言葉を飲んであげることはできないが、言葉にする練習をして行った方がいい。
「おれ、かえ、りたい」
「そっかそっか。帰りたいよな。でもな、今日はここにいよう。松倉がしんどくなってしまうから」
「俺、、手伝わなきゃ、、、忙しい、から」
「海斗は、今日は僕のお手伝いしてくれたやん。そうだ、点滴終わるから外そうか。今日はおやすみしよ」
「はずして、いいの、、?」
「まだ熱下がってへんけど、今日はシャワーもしたいやろ?湯船お湯ためて、ゆっくり入ろうや」
182人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イカ(プロフ) - Qさん» コメントありがとうございます!!とてもうれしいです😭この作品の手があまり進んでいなくて、、、申し訳ありません。書くのをやめたわけではないので、お待ちいただけると嬉しいです💦 (8月24日 22時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
Q - また最初から読み返しています。やっぱり好きです!いつか続き読めるときが来たら嬉しいです (8月16日 15時) (レス) id: 857d18a548 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - ファンさん» もったいないお言葉、ありがとうございます😭更新頻度にムラがあって、申し訳ありません💦楽しんでいただけるよう、頑張ります! (2023年3月13日 8時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ファン - 更新ありがとうございます!イカさんの作品が1番好きです! (2023年3月13日 1時) (レス) id: fcc1fe19ad (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - Qさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!少しづつ書き溜めておりまして、もう少し溜まったら更新させていただきたいと思っております!待っていただけているとのお言葉、本当な嬉しいです。もう暫しお待ちください! (2023年2月12日 21時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イカ | 作成日時:2022年6月16日 5時