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「おつかれさま」
問題はなく任務を終え、車に戻る。松倉もホッとしたような表情を見せていた。しかし、今度は拠点に着き、車から降りるときに朝と同じことが起きる。
「松倉?」
拠点の中だからと油断していたところ、車を降りるのが1番最後になった松倉は突然過呼吸を起こした。
「パニック発作だ」
吉澤が冷静に対応して、松倉を落ち着かせる。その間に他のメンバーを連れて川島はフロアへ戻った。
「っ、、」
「松倉、大丈夫だよ。息できてるからね。ゆっくり吐いて」
「し、ず、、」
「んー?どしたー?」
「こ、わい、、」
「そっかそっか。1人にしちゃってごめんね。怖かったね。車から、降りられそう?もう拠点の中だから、知らない人はいないよ」
ゆっくり伝えていくと、小さく頷いて立ち上がる。精一杯気を張っているのだろうが、フロアにたどり着く頃には、ボロボロと涙を流していた。
「おっと、、松倉?大丈夫?」
ドアを閉めて安心したのか、松倉はその場に倒れ込んだ。
「しーくん?」
「気を張って、疲れちゃったみたい」
「そっか。俺シャワー終わったから変わるよ。シャワーしてきちゃったら?」
「さんきゅー。松倉、俺シャワーしてくるから、如恵留と変わるね。松倉も、落ち着いたらシャワーおいでね」
周りの人間の動きをできる限り知らせて、なるべく驚かないように配慮する。川島が横に座ると、松倉はゆっくり起き上がった。
「大丈夫そう?」
その言葉に頷いて、履きっぱなしだった靴を脱いで片付ける。
「外に出かけるの、辛かった?」
かなり精神的に落ちているようで、川島の質問にも言葉を返せず、口を開けないこともまた申し訳なくて、涙が溢れる。
「大丈夫、大丈夫。ゆっくりでいいんだよ。シャワー行こうか。元太についていってもらおうね」
そう言うと頷いて、ゆっくり立ち上がる。背中を押してリビングに入り、松田を呼んだ。
「元太、松倉とシャワーいけるー?」
「あ!うん!いくー!かいと、行こう」
松田は優しく微笑んで、松倉の手を引く。強張った表情が、少しだけ落ち着いた気がした。
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イカ(プロフ) - ナツメ様:コメントありがとうございます。あたたかいおことば、、嬉しいです!!今後もよろしくお願い致します。 (2022年5月4日 9時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - 初めまして!以前からイカ様の作品を拝読していました。今作も素晴らしいです!本当におもしろくて神って実在したんだなって本気で思いました。筆も早くて尊敬します。これからも頑張ってください! (2022年5月3日 22時) (レス) @page9 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イカ | 作成日時:2022年5月3日 17時