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そう話しているうちに、取調官の携帯が鳴る。おそらく家宅捜索をしていたチームからの連絡で、ぬいぐるみは見つかったようだ。
「ちゃんと調べろ！」
そう怒鳴りながら電話を切る。松倉がここにいなくて良かったと思いながら、その様子を見つめていた。
「すみません、川島さん。松倉さん検査終わったんですけど、お迎えお願いできますか？」
そう言われて立ち上がる。取調官は何も言わなかった。
「松倉、大丈夫ですか」
「不安になってしまったみたいで、、すみません、私たちもあの人が来ると思っていなくて、、、」
「やっぱりそういう評判の人なんですね、、僕の方で然るべき対処をします。ただ、松倉は疲れてしまっているので、ちゃんと話せるかどうか」
「そうですね、、いま、状態を報告して他のスタッフも呼んでいます。あの人は外されると思います」
「ありがとうございます」
トイレの中で手を洗い続けている松倉に声をかける。
「松倉、行こっか」
そう言ってもなかなか水を止められない。
「手痛くなっちゃう。帰ったらちゃかに保湿剤貸してもらわなきゃね」
そう言いながら水を止めて、借りたタオルで手を包む。
「の、える、」
「もう少し、頑張れそう？」
「こ、わい、」
「そうだよね」
「お、れ、、捕まっちゃうね、、」
「大丈夫だから。ね？」
優しく手を引いて、もう一度部屋に戻ると、先程の取調官の姿はなく、優しそうな人に代わっていた。
「ごめんなさいね、手違いであの人が来ちゃって」
松倉は少しだけ緊張を解いて、もう一度座ることができた。
「手違い？」
「手違いっていうか、彼が行きたかっただけなんだけどね。彼、組織があんまり好きじゃなくて」
「はぁ」
「ごめんね。でももう大丈夫。尿検査も陰性だし、健康診断の履歴もあるし、無理やり彼が行かせた家宅捜索でも何も出なかった。くまのぬいぐるみはあって、物を入れたような痕跡はあったけど、おそらく保護の時点で回収されたんだと思うよ。その履歴はいま調べているからね。何にせよ、君が罪に問われることはありません」
まともな人が来てくれてよかったと思いつつも、それで帳消しにならないのが松倉のメンタルで、この後体調がどうなるかは分からない。
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イカ(プロフ) - ナツメ様:コメントありがとうございます。あたたかいおことば、、嬉しいです！！今後もよろしくお願い致します。 (2022年5月4日 9時) (
レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - 初めまして！以前からイカ様の作品を拝読していました。今作も素晴らしいです！本当におもしろくて神って実在したんだなって本気で思いました。筆も早くて尊敬します。これからも頑張ってください！ (2022年5月3日 22時) (レス) @page9 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イカ | 作成日時：2022年5月3日 17時
