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その夜、川島のパソコンにまたメールが届く。
「DNA鑑定の結果でたって。やっぱりポジティブ。親子で間違いなし」
「まあ、これだけ顔が似てればね、、」
「父親はいないんだっけ」
「うん。分からないらしい」
「わかんないって酷いな」
「ほんとにね、、一体どういうことなのって話だけどさ、、取り調べはいつ?」
「明日」
「明日ー??早すぎじゃん、、任務もあるのに」
「麻薬捜査ってスピード勝負らしいんだよ。まあ明後日オフなのがせめてもの救いかな、、、テラ、明日はダメなんだよね。今日の感じだと俺が運転じゃない方がいいと思うんだよなー」
「じゃあ、俺運転で一緒に行くよ」
「えーでもしめ任務あるし、疲れちゃうよ。時間もかかると思う」
「運転だけでしょ。平気だよ。オンコールじゃないし。タピオカ飲んで待ってるから。ひとりじゃ寂しいからちゃかも連れて行こうかな。置いていっても思い詰めそうだし」
「確かに、いいかもね。松倉、ちゃかに話せる部分もあるし、ちゃかは話さなくてもわかってくれるから」
「海人と元太はうるさいからおいてく」
「そうだね。元太は大丈夫かな」
「海人が上手く話してくれてる。やっぱり寂しいみたいだけど、自分にはどうにもできないとも思ってる」
「そうだよねー。今は海人に任せるしかないね」
「ってかちゃかは?大丈夫そう?」
「ちゃかは自分の中でゆっくり整理してるんじゃないかな。今回の松倉のことで思い出したり、考えたりしてるみたいだから、ちょっと不安定かなって思う時もあるけど」
「今日は寝れてるかな」
「どうかなー」
暫くして様子を見に行くと、宮近も松倉も眠ることができていて、少し安心して1日を終えた。
しかし次の日の朝は、前日の疲れもあってか、松倉の体調は芳しくなかった。松田が起きた時にはもう既にベッドの上で膝を抱えていて、声をかけると潤んだ目を向けた。
「ありゃ、熱高いじゃん。リビング行って、水分取ろうよ。あ、持ってくる?」
そういうとブンブンと首を振って、ベッドを降りる。
「一緒に行こっか」
小さく頷いた松倉の手を引いて、ソファーに座らせる。
「お茶持って来るね」
そう言って松田がスッと離れると、涙が止まらなくなってしまった。
「あ、え??かいと、どうした??しんどい?」
そう聞くと首を振って、松田の服の裾を掴む。
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イカ(プロフ) - ナツメ様:コメントありがとうございます。あたたかいおことば、、嬉しいです!!今後もよろしくお願い致します。 (2022年5月4日 9時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - 初めまして!以前からイカ様の作品を拝読していました。今作も素晴らしいです!本当におもしろくて神って実在したんだなって本気で思いました。筆も早くて尊敬します。これからも頑張ってください! (2022年5月3日 22時) (レス) @page9 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イカ | 作成日時:2022年5月3日 17時