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なぜ、宮近と松倉がお互い自然な空気で過ごしているのか、分かった気がした。口にしなくてもどこかで、足りないピースが近い形をしていると分かっていたのかもしれない。松田と松倉はそれとは違い、兄弟のような、表裏のような関係だ。だからこそ、松田は松倉を守りたいと思う反面、悲しい感情に引きずられてしまう。松倉も松倉で、唯一守るべき存在である松田を守り切ろうと必死だ。それに引き換え宮近は完全にフラットな関係で、お互いに落ち着くことができるのだろう。
「あの人、どこにいるんだろ」
「警察じゃない？元太が縛ったんでしょ？」
「そっか、そうだよね」
「ここにはいないよ」
「ん、、分かってる。分かってるんだけど、」
「怖いよね」
「うん、、」
「分かるよ」
暫く何もせずに、テレビを見る宮近の横に座っていたが、徐々に落ち着きがなくなり、両手で身体を抱えたところで宮近が声をかけた。
「どうした？」
「ごめ、なんか、、怖い、、怖くなってきちゃった、」
「大丈夫、大丈夫。押さえ込まなくていいから」
「っ、、、」
「背中、摩っていい？」
一応確認すると頷いたので、抱き込むようにして背中を摩る。
「苦しくなっちゃうから、深呼吸だけ頑張ろ」
「ちゃかちゃん？大丈夫？」
「ちょっと辛くなっちゃったみたい」
「薬はまだ飲めないから、、、お茶飲もうか。俺入れてくるね」
「うん」
吉澤が動くとまたビクッと肩が揺れる。目的はどうあれ、人が動くことが怖いのだろう。その繊細さを使って、この地位まで上り詰めてきたのだと思うが、今ははそれが仇となっている。
「っ、、」
怖くて、怖くて、苦しくて、ありったけの力で胸を擦る。
「まつくら、肌痛くなっちゃうから、やめよ。ちょっとづつでいいから、身体の力抜いてごらん？」
15年前に、大好きだった施設の先生がしてくれたように、優しく声をかける。何度大丈夫と言われても怖くて、身を固めることでしか自分を守れなかった。力を抜いたその先にある自由が、どうしても信じられなかった。
「ぅ、、ちゃか、、怖い、、」
「ここは安全だよ。誰も松倉に痛いことも、嫌なこともしないよ」
分かってる、分かっていても心がそれを受け入れず、徐々に思考がいっぱいいっぱいになってくる。
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イカ(プロフ) - ナツメ様:コメントありがとうございます。あたたかいおことば、、嬉しいです！！今後もよろしくお願い致します。 (2022年5月4日 9時) (
レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - 初めまして！以前からイカ様の作品を拝読していました。今作も素晴らしいです！本当におもしろくて神って実在したんだなって本気で思いました。筆も早くて尊敬します。これからも頑張ってください！ (2022年5月3日 22時) (レス) @page9 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イカ | 作成日時：2022年5月3日 17時
