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「松倉、閑也だよ。起きちゃったんだね」
離れたところから声をかけると、ぎゅっと布団を巻き込む。悪い夢を見てしまったのだろうか。
「ちょっと明るくするね」
暗闇よりはいいだろうと思い、部屋の電気を薄くつける。
「しず、」
「どーしたー？」
「おれ、、警察行かなくちゃいけない？」
先程の話を聞いていたはずはないので、予測したか、感じ取ったかのどちらかだろう。
「そう思った？」
「うん、、あの、あの人の、、息子、だから、、捕まっちゃう、、」
「息子だからって捕まらないよ。大丈夫」
「でも、」
「俺よりね、如恵留の方が詳しいと思うから聞いてみようか」
そう聞くと大きく頷く。知らないことが怖いのだろう。
「ちょっと待っててね」
リビングに戻り、川島にことの次第を伝えると、わかった、と言ってリビング出た。囲むのも良くないかと思い、吉澤はリビングに残ることにした。
「まつくらー？はいるねー」
静かに扉を開けると、松倉はベッドに座って膝を抱えていた。もともと小柄な身体が、さらに小さく見える。
「のえる」
考えすぎて、いっぱいいっぱいになってしまったのか、ボロボロと涙を流して、腕を握り締める。
「そんなギュッてしたら、痛くなっちゃうよ。隣に座ってもいい？」
小さく頷いたことに安心して、ゆっくり隣に腰掛ける。優しく背中を摩ると、少し力が抜けた。
「のえる、、おれ、捕まっちゃう、、」
「捕まらないよ。大丈夫」
怖い、怖い、と言いながら震える松倉の背中を摩り、どこまで伝えるべきか迷う。しかし、隠しても松倉は何かを感じてしまうだろう。
「あのね、警察から今日連絡が来たんだ」
「やっぱり、」
「知ってた？」
「今日、のえる俺のこと見てたから、なにか、俺が聞かなきゃいけないことあるのかなって」
「そっか、タイミングなくて、ちゃんと伝えられなくてごめんね」
「だいじょーぶ」
少し落ち着いてきたところを見計らって、本題に入る。
「捕縛した女の人がね、やっぱり松倉の母親だって主張してるんだって。警察としては、事実関係を明らかにしないといけないからDNA鑑定に協力して欲しいんだって」
「DNA鑑定って、、血、とる、、？」
「ううん、DNA鑑定は粘膜だから、ほっぺの内側に綿棒当てるだけ。あとね、その人が、松倉も使用しているって主張しているんだって」
そういうと、洗いすぎて真っ赤になってしまっている左腕をぎゅっと握る。
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イカ(プロフ) - ナツメ様:コメントありがとうございます。あたたかいおことば、、嬉しいです！！今後もよろしくお願い致します。 (2022年5月4日 9時) (
レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - 初めまして！以前からイカ様の作品を拝読していました。今作も素晴らしいです！本当におもしろくて神って実在したんだなって本気で思いました。筆も早くて尊敬します。これからも頑張ってください！ (2022年5月3日 22時) (レス) @page9 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イカ | 作成日時：2022年5月3日 17時
