思い出の幻影 弐 ページ20
あまり嬉しくなかった。そもそも普通の人間はそちらの世界にいかないものだ。というより霊だの怪異だの神様だの現代の合理的な社会の渦の中を泳ぎ回る魚のごとく科学的な人達は鼻で笑うのであろう。だけど、知る人は知る。昔の人のように信心深い人、信じている人、見える人、感じる人等。必ず全員が全員科学的で合理的で理屈で片付けようとするリアリストじゃないのだ。その世界は必ず存在してこの世界のすぐそこにあるのだ。まぁ、気付かずに過ごす人の方が多いのだが。
まぁ、それは置いといて小学四年生になったばかりの僕に対して竜兄は、「こっち側になったな。」と言った。その時はあまりよく分からなかったが、今ならわかる。あまり嬉しくなかった。けど、感謝はしてる。昔から鍛えてくれたお陰で今は霊が居ても対処できるし、一応お祓いのような事も出来るようになった。でも、その時の竜兄と同じ年齢になって気付く。竜兄には絶対に勝てないと。取り敢えず公園の幻影が見えた更地に黄昏てる竜兄の袖を引く。「飽きた。」というと、呆れ笑いを浮かべて車に戻る。戻る前に後ろを向くと、また公園の遊具の幻影が見えて、そして消えていった。春の夕暮れに溶けるようにして。
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吉 - いいお話だと思います。新しい小説書くの頑張ってください (2016年11月12日 13時) (
レス) id: f92c98848b (このIDを非表示/違反報告)
夜行 - 更新ありがとうございます。不思議な気持ちになるお話ですよね。 (2016年9月7日 17時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
餓鬼魂 - 少し切なくってくるシリーズですね。好きな作品のうちの一つですよ。応援します。 (2016年9月7日 17時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
陣 - おもしろいですね。更新応援させていただきます。 (2016年9月6日 21時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
夜行 - 書き方変えてきましたね。前よりも、読みやすくなったと思います。 (2016年8月16日 12時) (レス) id: cd7a83a97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カニ x他1人 | 作成日時：2016年2月14日 15時
