海の手 ページ13
もし、心霊スポットにまだ未発見の屍があった時、あなたならどうしますか？あれは、そうとある有名な心霊スポットに赴いた時の話。いや、厳密にいうと、僕はその時心霊スポットだと知らなかったんだ。あの時、竜兄が、こう言ったんだ。
竜「ちょっと用事があるから、留守番ヨロシク。」
空「どこ行くの？」
竜「崖。」
空「何しに行くの？」
竜「・・・さあね。」
空「僕も行く。一人は嫌だ。」
竜「そうか。分かった。」
と言う訳で、行くことになったんだ。でも、あそこが怖いところだなんて思わなかったんだ。その崖は、割と有名な心霊スポットで、某崖みたいなところだったんだ。でも、僕はそれを知らない。竜兄と僕は、そこで海を眺めていたんだ。風は、まだ冷たい。春が始まっているのに。そこから、おかしかったんだと思った。僕は、両手に向かってハアーと息を吹きかけていると、竜兄が言ったんだ。
竜「ここは、昔はにぎわっていたんだ。」
空「そうなの？」
竜「昔な。」
空「ふーん。そうなんだ。ハ―、寒い。」
僕がそう言うと、僕を抱え上げて、「車に戻るか。」と言って、車に戻る途中に、誰かに呼ばれた気がして後ろを振り返った。けど、誰もいない。竜兄の方を見たら、同じく振り返っていた。竜兄が、「気にするな。」と言って、車に乗り込んだ。車の窓から海の方を見ていたら、人が飛び降りた。僕が、「あっ。」と言うと、竜兄が言った。「あれは、人間じゃない。」と呟いた声が、かすかに聞こえた気がした。家に戻ると、僕は、熱が出て寝込んだ。38.7度の熱だった。それとものすごく喉が痛い。病院に行っても？が出るばかり。僕と竜兄は、家に帰った後、竜兄が言った。
竜「喉見せてみろ。」
空「え？」
竜「さっき、医者に見せたみたいに、大きい口開けてな。」
空「うん、あーーー。」
竜「・・・・あー、そっか、なるほど。分かった。さっきの奴か。」
空「？」
竜「どうすっかなー。取り敢えず、敬二を呼んでみるか。」
と言って、叔父さんを呼んで御祓いをしてもらってから、竜兄が言った。
竜「あの霊は、自分が苦しんだ痛みを誰かに知ってもらうために、ああゆうことをするんだ。俺だったらよかったんだがな。」
その表情は、やや翳りが見えていた。それが、竜兄の過去に関わっているのを僕は知らない。まだ、知らなくてもいいことかもしれないけど、のちのち知ることになる。
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吉 - いいお話だと思います。新しい小説書くの頑張ってください (2016年11月12日 13時) (
レス) id: f92c98848b (このIDを非表示/違反報告)
夜行 - 更新ありがとうございます。不思議な気持ちになるお話ですよね。 (2016年9月7日 17時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
餓鬼魂 - 少し切なくってくるシリーズですね。好きな作品のうちの一つですよ。応援します。 (2016年9月7日 17時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
陣 - おもしろいですね。更新応援させていただきます。 (2016年9月6日 21時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
夜行 - 書き方変えてきましたね。前よりも、読みやすくなったと思います。 (2016年8月16日 12時) (レス) id: cd7a83a97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カニ x他1人 | 作成日時：2016年2月14日 15時
